神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~19-29話
翌朝届けられた車椅子はいろいろ変わっていた。
「二人ともまずはタイヤね、ウレタンゴムを入れたパンクレスタイヤになってるからもう二度とパンクの心配はないわ」
それは良いだが……
「それからはやてちゃんの車椅子はハイパーデジタルウェーブモーターに変えてあるの、バッテリーも戦闘機用のリチウムイオンバッテリーよ、三日に一度充電すればOKだから。
それに最高時速は50km 迄出る様にしといたから」
なんか滅茶苦茶にパワーアップがされている。って言うか大丈夫なのだろうか?
日本ではスクーターの最高時速でさえ30km と法律で定められているはずだが……
「大丈夫よ、はやてちゃんなら乗りこなせるわ」
「あの……こっちの車椅子にもいろんなのが付いて居るんですが……」
「ぁ、それはね……独立ブレーキなの」
左右の肘掛けの前に斜め外に開いてハンドルと自転車のブレーキレバー見たいのが出ている。
それぞれの車輪に独立ブレーキを付けたのだ。
更に肘掛けの横に何かのジョイントが付いていた。
「更にこれを付けると、面白い事になるの」
そのパーツは2種類あった。
いずれもリヤカーのアームの様な形状のパーツ、片方には座席と車輪が追加してある。
「このハーネスをザフィーラ君に取り付けて……」
そのハーネスにはフックが付いていた。
そう、これは犬ぞりの要領で車椅子を引ける様改良してあった。
しかも片方のパーツは、はやてが乗れる様タンデム仕様になる様設計されていたのだ。
引っ張って走るとどうしても後ろの部分はジャックナイフを起こしやすい。
だからそれを防ぐ為に、なのはがブレーキを掛ける様独立ブレーキを追加したのだった。
流石は忍さんと言うべきか?MADと言うべきか?
二人の車椅子は相当なパワーアップを果たしていた。
因みにこの後暫く犬ぞりタンデム仕様が二人のお気に入りだった。
二人を乗せた車椅子をザッフィーが引っ張る。
ザフィーラにとっても今までの二人乗りより遙かに楽だった。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~19-29話 作家名:酔仙