神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~19-29話
一方、アメリカへの夢が断たれたシャマルはただ泣くしかなかった。
「シャマルにこんな事をするなんて許せん、こうなったら大学ごと吹っ飛ばしてやるんや」
そう言ったはやてを制したのはアリサだった。
「そんな事をしなくても大丈夫、あいつはバニングスを敵に回したのよ?
その怖さを骨の髄まで味合わせてやるわ」
アリサの目が怒りに燃える、もう手が付けられない状態だった。
「何?シャマルさんにそんな酷い事を?許せん、斬る!」
「お父さんダメだよ、殺人事件になっちゃうから」
「それもそうだな、だがだったら生きているのも辛いくらい追い込みを掛けてやる!」
士郎の怒りに火がついた、もうなのはでも止めようがない、この人はやると言ったらやる人なのだ。
「何?シャマルさんが退学させられた?俺たちのせいで?」
「おい、テル、どこへ行く?」
「その教授とやらをぶん殴ってでもシャマルさんの中退を撤回させます!」
「お前がそんなことをしたところで状況は良く成らんよ、それ所かこのヴァルハラにとっても状況が悪化してしまう」
「院長、じゃあ黙って見てろと言うんですかっ?」
「そんな事は言っていない」
「じゃあ、どうしろと?」
「奴のプライドを木っ端微塵にしてやるのさ、もう立ち直れないほどに、その上で彼女を救う事が俺には出来る、俺を信じろ!」
何か企んでいそうな安田潤司の眼差しにテル先生も何かを感じたようだ。
冷や汗と共にニヤリと笑う、こう言う時の安田潤司ほど恐ろしい男は居ないのだ。
因みに密かにヴァルハラに連絡を入れたのは石田先生である。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~19-29話 作家名:酔仙