神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~30-40話
そして12月中旬のある日、彼女は帰国していた。
「お帰りなさいシャマル」
はやてがシャマルを出迎えた。
「お帰りなさい、シャマル先生?」
「ありがとうなのはちゃん」
そう、シャマルはもう立派な先生なのだ。
「あのね、シャマル先生にお願いがあるの」
それは何時リミッターを解除して貰えるかという診断だった。
シャマルはクラールヴィントのセンサーで、なのはの体にスキャンをかける。
「そうね、貧血症状は随分改善してるわね、骨の回復具合は60%ちょっとって所かしら?」
「えっ、まだたったのそれだけ?」
「それだけよ、長い人なら3年かかるって言ったでしょ?早くて後半年、長ければ2年かかるわ」
「気長に直すしかないわね、それになのはちゃん生理まだでしょ?始まると回復が遅れるわよ」
「ええっ?」
そう、血液が体から失われるのはそれだけ回復を遅らせてしまうのだ。
始まるまでに体を治してしまわないと回復が遅れるわ空は飛べなくなりそうだわで、何時リミッターを解除して貰えるかも分からない。
かなりの焦りを感じるなのはだった。
「それから良く聞いて欲しいの、心臓近くの血管に大きなダメージを与えたという事は、将来簡単に動脈硬化を起こす事があるの、そうなってしまうともう手の施しようが無くなるから食生活には注意して欲しいわ、コレステロールの取り過ぎと塩分の取りすぎは簡単に動脈硬化を引き起こすから」
「動脈硬化を起こすとどうなるの?」
「簡単に言えば手術がもの凄くやりにくいの、場合によっては出来なくなる事さえ有るのよ。
それに心筋梗塞や動脈乖離って言う病気に成りやすいの、この病気になってしまうと発作一回であの世行きという事もある恐ろしい病気なの」
「なんか自分の体ながら嫌だな」
「だから細心の注意を払ってメンテナンスしないとね」
「後は何時になったら歩けるのかな?って」
「今やっているリハビリは?」
「エアバイクに歩行器、階段リハビリと杖だよ?それからプールリハビリも」
そう、なのはとはやては最近杖で歩く練習と階段を使ったリハビリを追加された。
「そう、なら後半年もすればリハビリは終了ね?そうすれば杖も要らない状態になれるわ」
「まだ半年もあるのか~?」
なんか随分気が遠くなる話である。
「なのはちゃんの努力次第ではもっと短くなるかも知れないけどね」
「うん、もっと頑張るよ」
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~30-40話 作家名:酔仙