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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~30-40話

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「安田先生、新しい教授が必要なので誰か知り合いを紹介して頂けません事?」
 アリサが、安田潤司に交渉を持ちかけていた。
「夏休みが明けるまでになんとかしよう、知り合いを何人か当たってみるよ」


「しかし、恐いねバニングスのお嬢さんは?」
「あの女の子がどうかしたんですか?」
「テルには知らせないでおこうと思ったんだが、あの子はアリサ・バニングス、世界一の総合商社のご令嬢だよ、しかもこの間聖詳大学グループを乗っ取ったところさ」
「えっ?この前の久保田教授が解雇されて自殺した件ってあの子が最後の一押しを?」
 テル先生が信じられないという顔をする。
「テル、あの子とだけは交渉するなよ、地獄を見るぞ?一体あの年でどれだけの修羅場を潜り抜けてきたんだか?」
「そんな、たかだか12才の女の子ですよ?まさかそんな事有る訳無いでしょう?」
「どうかな?あの子の目を見た瞬間もの凄く恐かったよ、この私でさえ震えが止まらん、子供とはとても思えん相手を射抜くような目をしていた。
まるで心の中を見透かされているようで得体の知れない怖さを心の底から味わったよ」
「またまたそんな、あり得ないですよ」
「いや、あのシャマルさんもバニングスの関係者だと言ったら嫌でも信じるだろう?」
「えっっ……」
 テル先生ですら背中に冷たい物が走る。
「なのはちゃんを中心に全てバニングスの関係者なんだよ。
もし敵に回したらこのヴァルハラでさえ簡単に叩き潰されるだろうな……恐い恐い」