神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~30-40話
シャマルが、レーベンに没頭している頃、なのはとはやては石田先生から新しいリハビリについて説明を受けていた。
「ねえ、二人ともプールリハビリを受けてみない?」
「プールリハビリ?」
「そう、プールの中で歩く練習をするの、これなら体が浮くし足への負担が少なくて同時に筋力も付くわよ」
と言う訳でプールリハビリもメニューに入れる事になった。
はやてのリハビリのある日、二人で午後から予約を取って海鳴スポーツセンターへ通う。
ここの室内プールでリハビリは行われていた。
取り敢えずプールの端に車椅子を止める。
プールへ入る際はシグナムとインストラクターの先生達が介助してくれる。
水に入ってしまえば体が浮くので普通に立っていられる。
それに両腕には浮き袋が付けてある例え転んだとしても溺れる心配はない。
25mプールの1レーンを深さを調節する為の台を沈めて作った浅めの歩行用レーン、ここを歩く訳だが、深さで言うとなのはの胸よりやや浅めの位置まで水が来る。
大人で言えば、お腹の真ん中当たりかその位の深さだ。
取り敢えず歩いてみる、足にかかる体重がかなり少ない為か痛みはほとんど無く非常に歩きやすい。
ただ、他の人が起こす波に体が持って行かれバランスが取りにくい。
まだ踏ん張りが利かない為すぐによろけてコースロープに掴まるしかなかったのだ。
でもこれなら思ったより早く歩けるようになるかも知れない。
リハビリを頑張るなのはだが30分するとプールから出されてしまう。
「もっとやりたいのに」
そう主張するもこのリハビリは心臓に掛かる負担が大きい為慣れるまでは30分やったら30分休憩が義務付けられていた。
自分の体の事なのだが非常に悔しい思いで一杯だった。
でも、これなら毎日続ければ、そう遠くない内に必ず歩けると二人ともそう確信した。
初日は二人とも1時間でリハビリは打ち切りだった。
でも夏休みが終わるまでに何とか歩いてみせるとそう言いきる二人だった。
それからこのリハビリ中に男性インストラクターが時々居なくなる。
原因はシグナムだった。
それは困っただろう?何せピンクのビキニだ。
こぼれ落ちそうな胸が目の前でプカプカする。
目のやり場に困り最後にはトイレに駆け込むしかなかったのだ。
彼はこの夏の間に相当なダイエットが出来たそうだ。(笑
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~30-40話 作家名:酔仙