神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~41-48話
第48話 神罰
なのは達が部活を始めた頃、海の向こうではシャマル先生が頑張っていた。
既に数多くの心臓手術をこなす循環器外科の医師として絶大な信頼を集め、小児科の先生として子供達からは大人気であり、産婦人科の医師として何人かの子供を取り上げていた。
彼女の笑顔にはいつも後光が差しているとそんな噂まで立つほどだった。
それ故に女神と讃えられ誰からも愛された。
絶望の淵からすくい上げられた患者も数え切れない。
彼女がやってくれば子供達がすぐに囲み人の輪ができる。遠巻きに老人達が祈りを捧げる。
その姿はまさに女神と天使達だった。
今や病院にはなくては成らない存在にまで成ってしまったシャマル先生、ここを去る日が近いと聞くと誰もが引き留めようとするほどだ。
そんなシャマルだが大学病院以外にも近隣の病院に応援に行く事も珍しくなかった。
日本と同じで都市部には多くの病院がある物の、ちょっと外れるとまともな病院の一つもなかったり、ロス市内の病院でも医師の数の不足している病院は珍しくなかった。
その為、医師免許を取った学生達は市内の病院に応援に出る事があるのだ。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~41-48話 作家名:酔仙