二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~41-48話

INDEX|28ページ/31ページ|

次のページ前のページ
 

 大学病院に着くとすぐに手術が始まる。
 手術室は上から見学できるようにガラス張りの見学室がある。
組長は息子の様子をずっと心配そうに眺めていた。
「彼女の姿が光っている?」
 それは信じられない光景だった。
手術中の彼女が何となく光っているように見える。
「また、アレが出ましたか?」
 いつの間にか横に立っていたのはハーパー学長だった。
「アレは一体?」
「手術スタッフの中には彼女の背中に翼を見たとか、頭の上にリングが輝いていたとか証言する者も居ます。
アレが出た時はどんな重症患者も必ず生還するんですよ。
今までアレが出た時は一度たりとも死者が出ていないんです。
それ故彼女は手術室の女神と呼ばれるんです」
 女神伝説、組長も話だけは聞いた事があった。
まさか自分がその当事者になろうとは思っても見なかった。
 そんな彼女の姿に思わず手を合わせずにはいられなかった。
 数時間後手術は無事に終わった。
「組長さん、無事に手術は終わりました。
息子さんは一月ほどで無事に走り回れるようになりますよ」
 その言葉に思わず涙がこぼれる。
 シャマルの暖かい言葉に組長は思わず涙をこぼす。
「先生、本当にありがとうございます、何とお礼を言って良いやら」
「お礼なんて要りませんよ、これが私の仕事ですから」
「でも……」
「大丈夫ですよ、私はただ消えかけている命を救いたいだけですから」
 その言葉はまさに神の言葉だった。
彼の息子は女神に愛されそして救われたのだとそう感じた。
「本当にありがとうございました」
 彼は何度もシャマルに頭を下げた。
この時から彼の心は変わり始めていたのかも知れない。
「さて、後はきっちり落とし前を着けねえとな」
「まだそんなにつまらない事を言っているんですか?
いい加減にして下さい、これ以上罪を重ねると息子さんと会えなくなりますよ?
あなたはそんなに悪い人じゃあありません、今までの罪を悔い改めて息子さんの為に生きて下さい。
彼にはキツイ天罰が必ず下りますから」
「いや、だがそれをやらない事には部下達に示しが付かない……
でも、あなたの言葉ならそれを信じて待つよ奴にキツイ天罰が下るのを……」
 所詮自分は人間、神に勝てる事など無いのだと彼は思った。
そして神は嘘を付かないと……彼は事務所に戻ると組員達を前に復讐を諦めると宣言した。
異論を唱える組員達の前でこういった。
「神様が天罰を与えると仰ったのだ、もう俺たちに手は出せないよ」