神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~41-48話
翌日シャマルは他の医師3人とFBIに呼び出されていた。
あの悪徳医師の元へ応援に行った者たちだ。
他の3人は薬品と気が付かず摘出した事を認めた。
シャマルは銃を突き付けられた事、その時薬品による昏睡だと見抜いた経緯などを説明した。
3人の医師達はショックから暫くはメスも持てそうにない状態となっていた。
そしてカルテなどの分析から犠牲者が100人にも及ぶ事が伝えられた。
その時シャマルの顔を見た捜査官はこう言ったという。
「神の怒りに触れた気がした」
その日の夜の事だった。
あの悪徳医師の独房の中に光り輝く魔法陣が現れた。魔法陣からシャマルが立ち上がる。
その瞬間彼の独房の監視カメラが停止し、次の朝まで復旧しなかった。
シャマルは悪徳医師にこう言った。
「今から罰として私の新しい魔法の実験台になって貰います」
次の朝には彼はもはや人の姿ではなかった。
極端に足を切り詰められ、左手を手首から先半分に切り取られ3本指に、切り取った2本は右手に移植されていた。
その姿はまるでE.T の様だった。
しかし、手も足も随分前に手術したか始めからそうなっていたかのように真新しい傷跡も包帯すらない、今の科学では説明が付かない状況だった。
ただ彼の証言は事実を語ったにも拘わらず表に出る事はなかった。
捜査官はシャマルを逮捕する事もなかった。
彼はこの事件をXファイルに治める時、こうコメントを付けた。
「人間が神に逆らえるはずはない」
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~41-48話 作家名:酔仙