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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~41-48話

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 帰ってきてまだ呆然としている二人、言葉すら出せないで居た。
少しして、なのはが口を開いた。
「私これからユーノ君に会ってくる、有ってごめんなさいって言って来る。それでこれを返してくるよ」
 手にしたのはあのネックレスだった。
ハラオウン家から無限書庫へユーノは今日も本に埋もれていた。
 いざユーノを前にすると言葉が出てこない、とても言い出せるほど勇気がなかった。
ただユーノを見つめた時涙があふれ出す。
 ユーノは、突然現れたなのはに驚いた。
そしていきなり泣かれたのだ、こうなるとどうしようもない。
取り敢えず、空いていた談話室へはのはを連れ込んだ。
 なのはの手を取り、その目を見つめた瞬間、なのはが抱き付いて大声で泣き始めた。
「……なさい……ごめん……なさい……ごめんなさい……」
 いきなり謝られても何の事か分からなかった。
「なのは、少し落ち着こう」
 優しくなのはを抱き締める。

 少し落ち着いてくるとようやく話が出来た。
それは将来子供の産める体ではなく、とてもユーノ期待に応える事は出来ない、だから婚約は解消しこれからは一人で生きていくという物だった。
「ダメだよなのは、何でも一人で抱え込んだら、それに僕はそんな事でなのはを嫌いになったりしない、なのはの事が好きだから大好きだから一緒になりたい、結婚して一緒に暮らしたい、それだけなんだ」
「でも……」
「だからそんな悲しい事を言わないでもしかしたら、
5年、10年経てば大丈夫な時代が来るかも知れない、
医学だってどんどん進歩して居るんだ、もしかしたらそれ位の未来には何とかなるかも知れないんだ」
「でも……そんなにユーノ君を待たせる事なんて出来ないよ……っっ?」
 その瞬間ユーノはなのはの頬を両手で抑えるといきなり唇を奪った。
長い長い優しいKiss がなのはの不安を悲しみを溶かしていく。
なのははそんな優しいユーノの気持ちが嬉しかった。
 その長い長いKiss は呼吸も忘れるほどになのはを優しく包み込む。
 息も出来ずただユーノの優しさに包まれて体の奥から熱い物が込み上げてくる。
唇と唇が離れた瞬間なのはの目から大粒の涙があふれ出す。
今度は悲しい涙じゃあない嬉しくて、暖かくて、感謝の涙だった。
「……ありがとう……ありがとう……ありがとうユーノ君」
 そしてユーノに抱き合い今度はなのはの方からKiss をする。
そのやさしいKiss だけが何よりも雄弁にお互いの愛を語っていた。
もうお互いの障害になる物なんて無かった。
お互いの気持ちを伝え合いそして理解した、お互い愛していると……
「もう時間も遅い、送っていくよ」
 そう言ってユーノは、なのはを家まで送っていった。