神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~49-59話
「ねえお父さん、ちょっと見て欲しいの」
なのはは100m全力疾走を士郎の前でやって見せた。
「これで解除して貰えるよね?」
「まだ5年生の頃に比べてスピードが乗っていない感じだが、
仕方有るまい、ただし大きい魔法を使うのはシャマル先生が帰ってきてからだ、
それを約束しない限りは解除スイッチは押さないぞ」
一瞬もの凄く嫌な顔をするなのはだが仕方がない。
もし万が一を考えたらすぐ隣にシャマル先生がいてくれたら安心だ。
士郎の言わんとしている事はすぐに分かった。
「分かりました、約束します」
「本当だろうな?」
「本当です」
「良し分かった、じゃあスイッチを押すぞ」
士郎がボタンに指をかける、
押した瞬間リモコンはパソコンのデータが壊れるようにモザイク状に分解しつつ消えていった。
一瞬レイジングハートが光り輝いて解除された事がはっきりと分かる。
「レイジングハート、セットア~~~~~~~~プ!」
セットアップしても何の問題もないようだ。
取り敢えず、バリアとシールドを出してみる。
ここまでは何の問題もない。
「ねえお父さん、ちょっと飛んでくるね?」
「ああ別に良いが、アメリカ軍と自衛隊のレーダーには捕まるなよ、スクランブルを掛けられるぞ?」
それはなのはにとって1年半ぶりの空だった。
蒸し暑い地上と違って夜風が涼しくて心地良い。
その夜、かなり遅くまで空を堪能するなのはだった。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~49-59話 作家名:酔仙