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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~60-70話

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第63話 御神一族

「所で次元世界って何?」
「なのは、見せてあげたら?」
 アリサはしれっとそう言った。
「出来れば部外者は巻き込みたくないんだけどな」
「もう部外者じゃあないわよ、一応この御神真実さんが御神の代表者なんだから」
「代表者と言っても私はただの留守番ですよ、
御神の剣を知っていると行っても型程度で奥義の一つもろくに使えない、
この屋敷を管理しているだけの役立たずですから」
 そう、彼はただの管理人兼代表代行なのだ。
本来の当主は静馬の妻であった美沙斗が継ぐのが筋であるが、
彼女の性格からしてこんな田舎に蟄居するようなタマではない。
 現に今彼女は香港にいるのだから。
「しかし困ったな、実は俺も向こうで落ち着いて2~3年したら警備会社を立ち上げようと考えていたんだが」
 そう口を挟んだのは恭也だった。
「所で話を戻すけど、次元世界って何?」
「ここじゃあ危険だから、どこか爆発が起きても安全な所無いかな?」
 そう言うなのはに、全員で裏山に行く事になった。
「ここなら、多少の爆発が起きても平気だよ」
 なのはが一本の杉の大木を指さした。
手の回りの小さな魔力の玉がいくつも浮かんでいる。
そして指先に収束する魔力、その瞬間指先から放たれた魔力は杉の大木をへし折って見せた。
「なのは、変身もせずにそんな事が出来たんだ?」
 アリサが驚いている。
いや士郎も、恭也も驚いた、デバイス無しでそんな事が出来るとは思っても見なかったからだ。
 もっと驚いていたのは御神真実である。
もう開いた口が塞がらないと言った状態だ。
彼にとっても初めて見る魔法という物しかも信じられない破壊力だ。
「まあ、なのはの抱える問題というのはこれなんだよ」
 士郎が気まずそうに口を開いた。
「じゃあ、次はロッシェ亭に行きましょうか?」
 一同は、ロッシェ亭に移動する。
「あ、フェイト、頼んでおいたあれお願いね」
 フェイトがモニターを展開する。
「母さん、お願いね」
 その次の瞬間、一同は次元航行戦艦アースラの中にいた。
「……ここは一体?……あれは地球?」
 地球を外から眺めるなんて経験は宇宙飛行士でもなければ出来ない事である。
そしてまたロッシェ亭に降ろされる一同、御神真実は動揺が隠せないでいた。
「今のは一体……?」
「あれは次元航行戦艦アースラまで転送して貰ったの」
 その後の説明をアリサと士郎が続けて1時間、ようやく彼もそれが納得できたようだ。
「しかし困った物だね、こちらでも少子高齢化が進んでいて跡を継ぐ子供達が少ないんだ。
もう少し増えて貰わないと一族存亡の危機だよ」
「それでしたら、充分な養育資金が出るように手配いたします」
 アリサは何としても一族の剣士が欲しかった。
「アリサちゃん今アメリカとフランスにいる御神家、不破家の子供達は何人いる?
その中で御神の剣を習っている子は何人いる?」
 士郎が、何かを考えているようだ。
「士郎さん一体何を?」
「真実さん、今夜一族会議を開きたい出来る限り招集できるか?」
「分かりました里の者、出来る限り集めましょう」
「あ、私もその席で話し合いたい事があるから呼んで下さいね」
 まだアリサは何か情報を持っているようだった。

「じゃあ、そろそろお昼にしましょうか?」
 ロッシェ亭で準備されていたのは前沢牛のバーベキューだった。
流石になのはのテンションも上がる。
「いや、もっとテンションの高いのがいた。
ヴィータとリィンである。
二人とも、牛肉の串焼きに大喜びだ」
 準備された肉はあっという間に片付いていた。