神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~60-70話
夕方、高町家に集合したいつもの5人+ヴォルケンリッター、ユーノ、
クロノ、エイミィ、恭也、忍。
その姿に目を細める士郎、
(俺の娘も随分美しくなった物だ)
ふとそんな事を考えていた。
一方、ユーノも浴衣姿のなのはに見とれていた。
「あんまり遅くなるなよ、明日の朝からビシバシしごくからな!」
こうして一同は夏祭りに繰り出した。
会場は海鳴臨海公園、広場では盆踊りが行われその回りには数多くの屋台が並ぶ。
「よし、みんなで金魚すくい勝負!」
「あはははは、シグナムさんもヴィータちゃんも下手過ぎなの」
「出来る訳ねえよ!濡れた紙で金魚を掬うなんて!」
次の瞬間、なのはが指さす方向ではお椀山盛りに金魚を積み上げたすずか、忍、恭也が優勝争いを繰り広げていた。
「あ、ありえねえ!」
彼らはこういう事の達人だった。
「じゃあ、射的勝負だ!」
これはなのはの独壇場だった。
絶対に落とすのは不可能に思えた景品を次々にゲットしていく、
そう、射撃はなのはの最も得意とする分野だった。
流石の月村姉妹も、恭也ですら射的だけはなのはに勝てない。
先ほど金魚屋を壊滅させた月村家、今度は射的屋をなのはが壊滅させた。
そして輪投げ屋を恭也が一人で壊滅させる。
この連中お祭りのテキ屋さんの天敵だった。
僅か数百円で殆どの景品をゲットして店仕舞いに追い込むという恐ろしさを発揮したのだった。
こうして全員大量の景品と大量の金魚を持つ事になってしまった。
細かい物が大量だった物のはやてがどこかからスーパーのレジ袋をゲットしてきてくれたので取り敢えず片手は空いた。
こうして綿菓子やら、リンゴ飴やらチョコバナナを頬張りながら花火が始まるのを待つ、辺りは結構な人が集まってちょっと暑苦しい。
「そうだ!花火の穴場があるんだ」
なのははユーノの手を引っ張って走り出した。
他のみんなを置き去りにして……
暫く走って辿り着いたのはお正月に行ったあの神社、石段を登ると丁度花火が始まった所だった。
すぐ目の前に花火を見ながらなのははユーノと抱き合った。
「ずっと毎年ユーノ君とここでこうやって花火を見られたらいいな」
「僕もなのはとこうやってずっと一緒にいられたら幸せだ」
二人は熱い口付けを交わす。
「おーおーおー、良いわねぇ亭主持ちは?」
アリサだった。
いや、全員いた。
もちろん転送したのはシャマルである。
この後、なのはとユーノは暫く弄られ続けたという。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~60-70話 作家名:酔仙