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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~60-70話

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第68話 開眼・居取りと寸頸

 あれから二日、なのはは空いた時間全てを何らかの練習に費やすようになった。
少しずつ、本当に少しずつ強くなっていくなのはが居た。
 そんなある日、稽古の時間に恭也がやってきた。
「もうすぐ、ヨーロッパだからな」
 その為、久しぶりに稽古に来たのだった。
 なのは達が見守る前で美由希ともの凄い打ち合いをする。
「それまで!」
 士郎のかけ声で動きを止める二人、相当充実した稽古になったようだ。
 今度はなのは達の稽古が始まる。
 まだ、習い始めたばかりレベルは余り高くない。
そんな練習を見ていた恭也がこう提案する。
「打撃より先に投げ技を全て教えてしまった方が早いのでは?」
「いや、まんべんなく教えた方がそれぞれの技を忘れないから、帰って強くなるのは早いだろう」
 いろいろと教え方があるようだ。
「そう言えば恭ちゃんって、ケンカの時絶対に御式内を使わないよね?
常に相手に合わせているって言うか、自分を出さないって言うか?」
「当たり前だ、俺が使ったら確実に相手を殺してしまう。
だから剣を抜く時以外絶対に使わないようにして居るんだ。
ガキのケンカ程度に御式内を使ったらそれこそ恥だ」
 恭也はそれだけ武術家としての誇りが高いようだ。