神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~60-70話
8月に入って一週間、毎日のようにお互いを投げ飛ばす練習が続いている。
ここまで覚えたのは握手、指取り、小手捻り、四方投げ、背負い投げ、一本背負い、小手返しの8種類である。
ここまで覚えると多少戦う事が出来るようになってくる。
覚えた8種類の投げ技と受け身、捌きを利用して試合をさせて貰えるようになった。
稽古の締めは相手を指名しての試合になった。
「行くぞ!高町なのは!覚悟しろよ!」
「ヴィータちゃんこそ覚悟は良いよね?」
なのはの畳に突き刺すような背負い投げにヴィータが受け身でダメージを流す。
直後に指取りと見せかけて小手返しを入れる。
空中で回り受け身を取ったなのはが、そのままヴィータの手を離さず着地の瞬間四方投げを決めた。
「くっそ~、また投げられた。」
ヴィータが悔しそうだ。
「でも何でこの練習が対魔導師戦の切り札なんだ?」
「ヴィータちゃん、それはだな……」
士郎の説明が長々と続く、
「……と言う訳で、ぶっちゃけた話、魔導師はでかい魔法を撃った直後は動けない。
至近距離からでかいのを撃たせて動けなくなった所を仕留めるのにこの武術は最適と言えるんだ」
そう、魔導師の欠点を突くこのやり方なら確実に相手を仕留められる。
「そうだね、それにフラッシュムーヴを使わなくても後ろに回り込めるから
攻撃のパターンが増えて楽になったよ」
なのははここまでの練習に何かを掴んだようだった。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~60-70話 作家名:酔仙