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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~71-80話

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 そして大会当日、主要メンバーは大体予選を突破していた。
既に砲丸投げで女小錦が優勝を決め全国への切符を手にする。
 なのはは予選4位、はやては予選8位で1500m走の決勝に進む。
あの先輩は予選12位、ギリギリで決勝に残っていた。
 スプリント系は100mと200mにすずか、アリサ、フェイトが残っていた。
 それ以外の陸上部員も意外なほどの健闘を見せている。
この3週間、練習中でさえ体中の重りを取り外す事が許されなかったほどだ。
外した瞬間は「これなら滅茶苦茶早く動けそう」という実感になる。
 他の陸上部員も幅跳び、高跳びで予選を通過していた。
 午後からの決勝その前になのは達は話し合っていた。
「ねえ、どうする?」
「そおやなぁ、このまま全国ゆうのも面倒くさいし、それに仕事の方が進まなくて困るわぁ」
「同じく私も仕事が滞って困ってたの」
 そう5人中4人は仕事を持っている。
これ以上は付き合いきれないのだ。
「でも、先輩はこの大会が最後のチャンスだし、これで引退だから私達も無様な負け方は出来ないし」
「まあ、成り行き任せでアクシデントとか、そう言う事に便乗するとかトップ争いでギリギリ負けるとか、そう言うやり方なら文句は言われないんじゃない?」
 ハナから負ける算段をしている様だ。
「じゃあ、そのプランで行こうか?」
 どうもなのは達にとって学校行事とかは余り関心がないらしい。
先輩が可愛そうとか絶対に勝って全国に行くとかそう言う考えはしない様だ。
 午後からの決勝フェイトがフライングで失格になる。
まあこれも打ち合わせ通りだ。
 アリサは6位入賞を果たしたが全国には届かなかった。
すずかはゴール手前で2位の選手を巻き込んで転倒、転ばなければ確実に全国という感じだった。
 長距離走は決勝3位までが全国行きだ。
なのはは予選総合4位、ギリギリの所である。
 1500m決勝、12人で争われるレースだ。
なのはは3位の選手にぴたりと付けてレースを運ぶ。だが、相手の選手が曲者だった。
 途中でなのはに足をかけて転ばせようと何度か足を出す。
流石に頭に来たなのはが足刀を繰り出してしまった。
 すぐ後ろを走っていた先輩は、
あの時自分が何をされたかはっきりと分かった。
いや、見せられたと言うべきか?
 怪我を負って倒れる選手、
5位グループを巻き込んで何人かが転倒する事態になった。
はやても巻き込まれて転倒、これで上位は4人だけとなった。
そのままゴールした物の、なのはは審判から失格を告げられていた。
 足を掛ける事も掛けに来た足をわざと蹴飛ばすのも反則である。
審判は公正に見ていた。
「先輩、全国行きおめでとうございます」
「いや、だが私はこんなおこぼれみたいな勝ちは嬉しくない。
本来なら高町が全国へ行くべきなのに何故あそこで蹴った?」
「鬱陶しかったし足を出されたら足を蹴るのは格闘家の本能ですから」
 そう、陸上部のルールなんて物は全く知らない、なのはは格闘家なのだ。
「正直言うともっときつく蹴って足をぶち折っておきたかったぐらいです」
 かなり闘争心が強いなのは、つい足が出てしまったという事なのだろう。
まあ、これで先輩の顔を潰すことなく無事に秋の大会を終える事が出来た。
 結局、聖詳大付属からは2名が全国に行く事が決まった。