二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~81-90話

INDEX|12ページ/26ページ|

次のページ前のページ
 

第86話 奥義・無双取り

 12月に入って一週間、なのは達は相変わらず厳しい稽古をしていた。
気配を読める様になって5日やっとヴィータも気配を読める様になってきた。
 そろそろまた新しい奥義の伝授がある頃だった。
「今日は新しい奥義を教える、誰か二人がかりで来なさい」
 その言葉になのはとシグナムが名乗りを上げる。
 今日は杖術の日、対武器用の技だと読んでいた。
「二人とも、全力で掛かってきなさい」
 その言葉になのはとシグナムが打ち合わせる。
「じゃあ、そう言う事で……」
 どうやら作戦は決まった様だ。
「じゃあ行くよ」
 次の瞬間、なのははまっすぐに、
シグナムは飛び上がって上から渾身の力らを込めた一撃をお見舞いする。
 だが、二人の最強の一撃は炸裂することなくあっさりと止められた。
「止めの奥義、無双取り」
 それは某魔王が取ったとされる天地魔闘の構えその物だった。
「う、動かない?」
 シグナムが全体重を乗せたその一撃を止めたばかりかその状態で固定されている。
なのはもまた動けなかった。
 ただ受け止めているだけの技ではない。
なぜならこれだけの一撃を二発も同時に食らったら普通吹き飛ぶからだ。
 士郎はふっと息を吐くと二つの武器を放した。
「この技は居取りの応用であり体術の極致でもある」
「でも相手の技を止めるだけなの?」
「そうだ止めた瞬間次の技に繋げる為の技だ」
「しかしあれだけの衝撃を受け止めるというのはどう考えても納得が行かない普通なら体が持たないはずだ」
 訝しむシグナムに士郎が答える。
「受け止めては居ないんだよ、受け止めるのではなく通すんだよ、
衝撃は体を素通りして床に逃がしてある」
 だから体術の極致だった。
体術を駆使して衝撃を全て流していたのだ。
 やはり居取りだった。
居取りから発展する技が多いのが御式内の特徴とも言える物だった。
「同じ技を別の方法で見せよう」
 今度ははやてとフェイトが相手だった。
さっきと同じように渾身の一撃を撃ち込んでくる。
 今度は掴むのではなく小太刀で受け止めていた。
「この受け方この小太刀の捌き、御神流なの?」
 見ていたなのはが思わずそう言った。
「そうだ、御神流の技にも御式内と共通の技がいくつもある。
だから御式内を納めない事には御神流を習う事が出来ないんだ」
 そう、御神流を使うという事は御式内の師範クラスの力がないと使う事の出来ない剣だった。
 なのははようやく気付いた様だ。父も兄や姉たちはそれほどにまで高い所にいる存在でありとてつもない化け物だと。
「じゃあ5人相手だったらどうなるの?」
「やってみるか?」
 5人同時に打ちかかる。
でも結果は同じだった。
綺麗に小太刀で止められている。
 でも、今のでなのはは技のヒントを掴む事が出来た。
まるで太極図を描いている様な小太刀の捌き、
その太極図の中には絶対に入り込めない空間だった。
「御神二刀小太刀陰陽防御」
 まさに防御の極致容易く破れる技ではなかった。
 それから延々と型稽古が続くこの技は1ミリの狂いもなく完璧な型が出来ないと効果がない技だった。
でもこの先この奥義はなのはが最も得意とする技となっていく。
そう、6年後ティアナを恐怖に陥れたあの魔王降臨事件、その原点がここにあった。
 そして来週からは期末テスト、それが終われば冬休みまで半日授業だ。
なのは達はそれまでに奥義を除く全ての技を伝授される事になった。