神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~81-90話
一方ブラジル、アマゾンのど真ん中。
スーは、手術から5日目を迎えていた。
「まだ寝てなきゃダメよ」
シャマルにそう言われる物の、まだシャマル達の言葉は半分ぐらいしか分かっていない。
彼らの言葉はシャマル達の言葉とは違う独特の物だったからだ。
でも幼いながらに幼いからこそ彼女の吸収力はもの凄かった。
シャマル達の言葉は共通語が英語それ以外にシャマルと与那覇先生は日本語で話しているし、与那覇先生が持ち込んだ短波ラジオは「ラジオ日本」を放送していた。
それを聞いている内に彼女は英語と日本語を覚えつつあったのだ。
シャマルがスーを診察する。
心配された後遺症は今のところ見られない。
「どお?歩ける?」
歩く方も問題がない様だった。
「どうでしょう、シャマル先生?」
「今のところ後遺症は全くないですね?1ヶ月以内に出なければもう後遺症は出ないと思います」
心配そうに聞いた与那覇先生にシャマルは笑顔で答える。
すぐ横にいるスーも嬉しそうだ。
その時だった。
「与那覇先生?お父さん?」
スーが日本語で話しかけた。
二人とも驚いた。
いつの間にか日本語を覚えていた。
感動の余り与那覇先生がスーに抱き付く。
シャマルも驚きを隠せなかった。
「この子は他の子よりも頭良いのかも?」
翌日から与那覇先生とシャマルの二人で日本語と英語を教える事になった。
スーの吸収力に驚く二人、もしかしたらスーは天才なのかも知れないと親バカさを爆発させる二人、
「もういい加減結婚したら?」
と回りからの突っ込みを受ける事になった。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~81-90話 作家名:酔仙