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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~81-90話

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第87話 最後の技

 あれから一週間、今日で期末テストも終わる。
なのは達にとっていよいよ待ちに待った冬休みである。
と言ってもまだお休みまでは10日ほど有るが……
 「今日から山駆けの修行を行う」
 午後から暇になるなのは達に対して新たな修行が追加された。
高町家から訓練場のある山まで片道10Km 勿論マラソンである。
 そして士郎が先頭になってその後ろを走って山を登る。
よく見るとあちらこちらにトラップが仕掛けてあったり鋼糸が張ってあったりする。
 今までの斜面登りと比べたら圧倒的に長い距離、足下の悪さも比べ物にならない。
しかも鋼糸やらトラップやらが行く手を遮る。
 これで頂上まで走ると全力で駆け下る。これが山駆けである。
 そしてまたマラソンして帰るともうすっかり夜だった。
すぐに夕食、士郎を中心に修行の話をしながら食事が始まる。
「山駆けはきついの」
「確かに体力付くけど、かなり危険やなぁ」
「あのトラップは危険よね、まともに当たったら怪我位じゃ済みそうにないし」
「はっはっは、それは今夜教える技に関係有る修行だからな」
「新しい技?」
「そうだ、楽しみにしているといい」

 そして夜の稽古、
「今から教える技で最後だ、これで表裏合わせて171の技全て伝授した事になる」
 それは歩法だった。
 独特の足の運びをする独特の走り方、ただそれは普通に走っても異常なほどに早かった。
「歩法難場走り」
 この歩法の状態から肉体のリミッターを外し圧倒的なスピードを出すのが御神流奥義の歩法「神速」である。
 山駆けは難場走りの足の運びと体力を同時に付ける訓練だったのだ。
 この訓練が如何に大切か?美由希や恭也の稽古を見ていたなのはにとって非常に良く分かった。
「これで伝授は終わりだ、後はひたすらに教えた技を全て使いこなし毎日組み手をやる事で実力を付けていくしかない。
奥義はそれなりの実力が付いたらまた教えてやろう」
 これからの夜の稽古は自分で課題を見つけて練習するしかなかった。
そして徹底的に組み手である。
 今のところ、奥義で霞以外に使えない技がなのはは二つ、はやて、シグナム、フェイトは三つ、ヴィータは三つに加えて気配を読む事もまだ不得意だ。
 とにかく、まずは使えない技を使えるようにすることだった。
 なのはが使えないのは「吐納」、「無双取り」、
フェイト達が使えないのが「吐納」、「無拍子」、「無双取り」で有る。
 朝のトレーニングは軽めにして神社での斜面登りは止めになった。
替わりに気配を読む練習に当てられる。
これはヴィータを鍛える為だ。
 昼は山駆け、士郎は目標タイムを2時間と設定しそれを切れるようにと指導する。
まだ全員難場走りが使えていなかった。
 夜は徹底的に組み手となった。
自分が課題とする技を練習しながらとにかく組み手、こうして自分が不得意な技を少しずつ克服していった。
 そんなある日、山駆けの最中だった。
もの凄い速度で何かが後ろから追いかけて来る。
「ぁ、お兄ちゃん、帰ってきたんだ?」
 追いかけてきたのは恭也だった。
「ああ、今日から暫くクリスマス休暇だ、年明けまでは日本に居るぞ」
 そう言うと、なのは達を追い越してあっという間に走っていってしまう。
そんな恭也の姿を呆然と見送るなのはだった。
「何て速さ、化け物だ」
 圧倒的速さになのは達は脱帽だった。