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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~81-90話

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「あなたは、キール准将!」
 フェイトが驚いて声を上げる。
「そんな筈はないやろ、あいつはアルカンシェルで消滅して死んだ筈や」
 そう彼は生きていた。
それはアルカンシェルを受けて消滅する直前だった。
彼は咄嗟に転送機に飛び込んで海賊達のアジトに逃げおおせていたのだ。
「高町なのは、お前のせいで俺の出世が次元世界の支配の夢が断たれたんだ。
今度こそ死んで貰うぞ!」
 まだそんなアホな事を言っていた。
「何なの?この人?」
 なのはは余りの言いぐさにかなり頭に来た様だ。
「なのは、手を出すなよ、あの刀の奴はかなりやばいぞ」
 士郎がそう言ってなのは達を制止する。
「あいつは俺が頂く、この所稽古相手に恵まれて無くてな命をかけるには丁度良い相手だ」
 そう言う恭也の顔は清々しかった。
今から命のやり取りをしようと言うのにとてつもなく清々しいのだ。
既に殺される覚悟を決めた潔さがそうさせるのだろう?
「気を付けろよ、あいつは……」
「ああ分かっている、宮ノ内示現流の森 伊蔵だ。
希代の人斬りと呼ばれたあいつがここまで堕ちていようとは思わなかったがな?」
「覚悟しろよ、高町家!お前らは今日が命日だ」
 まだキールが吠えていた。
「残りの奴らは三合会か?」
 士郎は見逃さなかった。
彼らの人差し指と中指の間に小さな三角の入れ墨がある事を。
 三合会、香港マフィアであり、あのテロ組織「龍(ロン)」とも繋がりのあった組織でもある。