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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~81-90話

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第82話 乱闘


「授業の邪魔なんやけど帰って貰えるかぁ?でないと全員地獄を見る事になるで?」
「全部で50人ぐらい?余り強そうじゃないね?」
「うん、見たところそんなに使えそうなのは居なさそうだよ?」
 完全に舐められている暴走族達、彼女たちの会話にぶち切れ寸前だった。
彼らはあまりにはやて達を舐めすぎていた。
御式内だけじゃない本気になればもっと恐ろしい事が出来ると言う事を知らなかった。
 それに加えて自分たちをあまりに過大評価しすぎていた。
泣く子も黙る暴走族だ、ちょっと脅してやれば相手が折れると信じていた。
 でも折れるどころか余裕をぶっこいている。
こんなに舐められた事は今まで一度もなかった。
 不敵に笑うはやて達、今回ははやてに加えてなのは、フェイトまで居る。
フェイト以外はどう見ても強そうに見えないのだが実際には鬼の様に強い。
「てめえら舐めてんじゃねえぞゴルァ」
「はやてちゃん、あれで脅してるつもりなの?」
「なんか弱そうだよ、どうする?本気でやるの可愛そうだよ?」
 フェイトが同情的な言葉を口にする。
「別にええやん、こちらから手を出さなければ正当防衛は成立するし、
後は軽く叩きのめして終わらせるだけや、死んでも文句は言わせへんし」
 何処までも舐められていた。
彼らは、とうとう堪忍袋の緒が切れた様だ。
「ふざけんじゃねえぞ!ゴルァ」
 ズンッ
 突然木刀で殴りかかった一人が最初の犠牲者だった。
居取りからの一本背負いの餌食になってグラウンドに突き刺さる。
「あーあ、弱すぎて相手にもならんわぁ」
 はやての一言を合図に一斉に飛びかかってくる。
次の瞬間、なのはとフェイトも加わる。
あっという間に10人ほど伸されていた。
 全員強烈な投げ技で地面に叩き付けられていた。
中には両肘を壊されている者もいる。
雷車の犠牲になった様だ。
「だから弱すぎるゆうたのに」
 流石に彼らも学習した様だ、素手で相手をするのは危険すぎると。
「こうなったら轢き殺せ!」
 バイクで突っ込んで来る。
難なくかわしざまに、はやてはバイクの燃料タンクに一撃お見舞いした。
魔力を込めた寸勁を……
 少し向こうでバイクが大爆発する。
二人ほど火だるまになった。
 そう、魔力による加熱に燃料タンクが持たなかった。
中のガソリンに引火して爆発したのだ。
 仲間が消し止めた物の二人はもう動けない、病院に連れて行かなければならないほどの重傷だ。
「バイクは辞めた方がええで?寸勁の餌食になったら今みたいに大爆発や」
「はやてちゃん、今の技いただきなの」
「私も」
 それでもまた性懲りもなくバイクで突っ込んでくる暴走族、今度はなのはとフェイトを狙った物の、それぞれ二人乗りのバイクが爆発炎上する。
 あっという間に4人火達磨、まあそれでも仲間がいるから消し止めてはくれる。
 彼らはようやくなのは達のヤバさに気付いた様だ。
片手でバイクを粉砕するほど強いと言う事に。
 やや距離を置いて囲む様に対峙する。
「ねえ、どうする?」
「そろそろ警察が来るし全員残らずフルボッコして引き渡そう」
 次の瞬間3人は暴走族達の中に飛び込んでいた。
火達磨になる者、地面に突き刺さる者、肘や膝を壊されて動けなくなる者、締め落とされる者、5分としないうちに全員片付いていた。
 そして全てが片付いた頃、交通機動隊の皆さんが到着した。
まあ、後片付けぐらいしかやる事は残っていなかった。
 しかし彼らを最も驚かせたのは50人倒したのがたった3人の女の子だという事だった。
おまけに信じられないぐらいこっぴどくやられ、バイクも10台以上大破している。
とても人のなせる技ではなかった。
 警察も含めてなのは達を説教しようとした教師達だが、
「先生達が弱すぎるからいけないの殴られて逃げ帰ってくるし、
ああ言う連中は、お引き取り願えない時は力で叩き潰すしかないの、
あいつらの掟は力しかないのだから」
 と、なのはに言われてしまう。
 それ以上何も言えなかった。
自分たちは逃げ帰る事しかできなかったのだから。
 一方暴走族達は今度は少年院送りだった。
前回学園祭荒らしで逮捕されたにも拘わらず、性懲りもなく襲撃を掛けた事は矯正教育措置以外の何者でもないと判断された。
 取調べによると、彼らは学園祭荒らしを阻止された事の仕返しに来たらしい。
はやてを見つけてボコッた揚げ句、犯すつもりで来たらしいが結果は惨憺たる物だった。
もしはやてが出てこなかったら学校中破壊して逃げる算段だったらしい。
 結局なのは達が出て行ったのは正解だった様だ。