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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~81-90話

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第83話 奥義・無拍子

 暴走族襲撃事件の夜なのは達は士郎からお説教を受ける。
御式内を素人に使ってはいけないと下手をすれば殺してしまうと散々注意を受けた。
 後から警察に事件の顛末を聞いてまあ仕方がないと言う事で落ち着いた物の御式内の危険さはどうやら伝わった様だ。
「じゃあ今日は久しぶりに奥義を見せる。一つは既になのはが使えているな?」
 そう言う士郎に、なのはが?を浮かべる。
「奥義、浦霞(うらがすみ)」
 その瞬間、士郎の姿がぼうっと霞む、だんだん薄くなり消えてしまった。
「嘘?消えた?」
 気配を探っても見つける事が出来なかった。
次の瞬間、背中から殺気の刃がなのはとシグナムを貫く、二人とも恐怖で歯の根が合わない。
「良かったな、これが本物の刀でなくて」
 後ろから声を掛けられて後ろを取られている事にやっと気付いた。
「この奥義は気配を断つ事によって自分の存在を消し去る技だ。
多分お前達には一生無理だと思うが、こちらの世界にはこういう技を使う人間もいる事を理解して欲しい」
 またとんでもない恐ろしい技だった。
気配を感じないだけでなく目の前にいても気付かないという怖さ、それが背中から襲って来るという恐怖、考えられない事だった。
これは武術の4大奥義でもあるという。
 武術の4大奥義とは縮地、霞、金剛、遠当と言う。
なのは達魔導師にとって霞は絶対に出来ない奥義だった。
完全に魔力が断てない為どうしても気配を消し去る事が出来ないからだ。
 霞の使い手が如何に恐ろしいか?身をもって理解したなのは達、
後からはやて、フェイト、ヴィータも同じ事をされてその恐ろしさに戦慄した。
「じゃあ次の奥義を見せておこう。誰か俺と組み手をしてくれ」
 シグナムが名乗りを上げ対峙する。
 しかし、士郎と向き合った瞬間一瞬にして投げられる。
何時投げられたのかすら分からなかった。
 でも、同じ経験があった。
なのはが居取りと寸勁を覚えた時同じように簡単に投げられた。
しかも何時投げられたのか全く分からなかった。
「奥義、無拍子(むびょうし)」
 それはノーモーションからの攻撃、それ故に何時攻撃されたのか気付く事がない。
気付いた瞬間には攻撃を受けているのだから。
相手の呼吸を読み、呼吸を整え、呼吸を合わせ、間合いを掴む。
これだけの事が出来ていないと使えない奥義、そこからノーモーションで電光石火の早技を掛ける。
 それが奥義なのだが無意識にもなのははそれが出来ていたのだ。
人の意識の外側から来る技は殆どかわす事が出来ない。
でもまだ完全には使いこなせていない様だ。
これが出来れば相当強くなれるとそう確信した。
「もしかして無拍子は浦霞対策?」
「そうだ、いくら霞を使っていても手を出す一瞬前には必ず気配が出る。
その瞬間カウンターで無拍子を使う事が出来れば何とかなるだろう」
 士郎はなのは達に対魔導師戦だけでなく対暗殺者を想定した戦い方を教え込もうとしていた。
 それから、なのは達の稽古は無拍子を覚える為の練習へシフトしていく。
徹底して居取りを練習し相手の呼吸と間合いを掴む練習をする。
気配を読めるなのはが一番始めに無拍子を使える様になった。
「なるほど気配と呼吸が重なる一点は動きの重なる一点でもあるんだ?」
 無意識に出来ていた事出来る様になるまでにはそんなに時間が掛からなかった。

 そして練習試合、もう他の4人ではなのはの相手には成らなかった。
「みんな早く追い付いてきて欲しいの」
 なのはにそう言われて激しく焦る4人だった。
 そして気配を読む練習、なのはは既に読めるので免除だった。
「はやてちゃん、フェイトちゃん、今日話した事を思い出して欲しいの
あれが出来れば絶対に出来る様になるの」
 なのはのアドバイスが飛ぶ。
 まずは音を基準に存在を感じる事だった。
存在を感じたら、それをイメージする。
イメージと存在を重ね合わせ、よりリアルな存在を作り上げる。
 後は呼吸を読みながらそのリアルな存在を追いかけ続けるという物だった。
シグナムもヴィータもはやてから話は聞いていた。
集中して存在を感じ取ろうとする。
 張りつめた空気の中、時々ミシリと道場の床が軋む。
その音に、存在を感じ取る一同。
その存在感をいち早く掴んだのはシグナムだった。
 ミシリという音に足の運びを重ね合わせ存在をリアルな物にしていく。
更にその存在の呼吸を読む、
 バシッ
「いって~」
 ヴィータの頭に竹刀が落ちる。
 また歩き始めた。
「!」
 バキッ
 見事に受け止めていた。
 この直後フェイトとはやても受ける事が出来る様になってた。
どおやら気配を掴む事が出来るようになってきたようだ。