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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~81-90話

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 一方、アマゾンのジャングルではシャマル達がいろいろ大変な思いをしていた。
 病院船は3層構造、船倉は食糧と医薬品、そしてそれぞれの個室、第2層は診察室に手術室、残ったスペースは下の階に個室を貰えなかった人の居住空間、最上階は病室、5人一組で6部屋ある。
 シャマル達が最も悩まされたのが生鮮食料である。
この暑さ、生ものはすぐに腐る。
 冷蔵庫に入りきらない物はすぐに消費しないと腐ってしまって食べられない。
1週間~10日に一度、食糧や医薬品を乗せた船が補給に来てくれるが、それだけではとても追い付かなかった。
 医薬品ですぐに足りなくなるのは麻酔である。
でも、与那覇先生がいるお陰で麻酔を余り消費しないで済んでいる。
彼の鍼灸術の中に麻酔針があった。
 特定の経絡秘孔に針を刺す事で麻酔と同じ効果を発揮するのだ。
これによりもの凄く手術がやりやすかった。
彼の説明によると神経を一時的に遮断しているだけとの事で麻酔よりも人体に優しいのだとか。
 生鮮食料品は特に果物と野菜が不足する。
日持ちのするジャガイモはともかく緑の野菜と果物はすぐに底を突いた。
 シャマル達は上陸を余儀なくされていた。
ここはアマゾン川の支流がいくつも合流する地点、そのすぐ近くにある狩猟民族の村だった。
 意外に友好的ですぐにみんな仲良くなる。
特にシャマルは子供達に大人気だった。
 子供達と一緒に果物を捜す、ジャングルにはパパイヤ、パイナップル、パッションフルーツなど、
結構果物が豊富だった。
 また、村で作っている野菜も少し分けて貰えた。
 替わりにシャマル達が提供したのはお酒だった。
世界中、民族や宗教によって違うがお近付きの印に送る物は酒、タバコ、お茶のいずれかの事が多い。
アマゾンでの場合お酒の事が多く、部族によってはタバコの事もあった。
 与那覇先生提供の泡盛は彼らの心を捉えた様だ。
 そんな中、部族の中で浮いている子供が一人、7~8才ぐらいだろうか?
何でも早くに親を亡くし、部族みんなで育てているのだそうだが、どうにもみんなの中にとけ込めないで居た。
 でも、すぐにシャマルと仲良くなって更に与那覇先生とも仲良くなった。
シャマル達がやってくると、すぐに飛びついてくる。
そして、シャマルと与那覇先生の間に入って手を繋ぐ、この三人を見ているとどう見ても仲の良い親子にしか見えなかった。
 それを与那覇先生も意識していた様だ。