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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件91-101話

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 一方、アルゼンチン
スーが誕生日を迎えようとしていた。
 スー自身、正確な日は知らない。
「夕方シリウスが西の空に傾いた頃、スーは生まれたの」
 そう説明していた。
赤道直下のジャングルの中から見て、シリウスが夕方西に傾く季節、
それは3月上旬から中旬にかけて、それを過ぎれば見えなくなってしまう。
その為国籍を取得する際3月10日をスーの誕生日としたのだ。
 スーはもうすぐ9才の誕生日を迎えようとしていた。
そんなある日スーは熱を出して倒れた。
何かの病気かと心配したがシャマルにはそれが病気でないとすぐに分かった。
 そう、あの時のなのはと一緒だった。スーもまた魔力を持っていたのだ。
それが目覚めと同時に飽和だった。シャマルは誰にも気づかれない様に、そっとカートリッジをスーに持たせた。
すぐに飽和が収まった物のこれからは気を付けないと何時飽和を起こすか分からない。
 それにまた一つ与那覇先生に嘘を付く事になった。
 スーの事が心配で見に来た与那覇先生にシャマルはこう説明した。
「スーちゃんは私と同じ力の持ち主なんです。
まだ力に目覚めたばかりでコントロ-ルもまともに出来ないけれど、その内にきっと力をコントロール出来るでしょう。
私達はこういう力を持て居るんです」
 そう言って使い古したメスを取り出した。
そのメスが見る見る真っ赤に焼けて溶けて流れ落ちた。
魔力抵抗による発熱だった。
 与那覇先生から見ればそれは信じられない事だった。
「もしかしてそれが超能力という奴ですか?もしかして人に言えない秘密って、これの事だったんですか?」
「ええ、そんな所です」
 彼は悩んだ、シャマル先生もスーも超能力者だという。
普通の人間とは違う、それを抱えて生きなければならないと言う現実、それを受け入れなければならなかった。
 でも、肝心のスーは何のことだか良く分かっていない。
これを指導するのもまた、シャマルの役目になった。