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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件91-101話

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第97話 出世

 3月末のある日、なのはとヴィータはファーン先生から呼び出しを受けていた。
「あなた達、今回の研修でも随分優秀な成績でした。
今までのあなた達の成績を見る限り、そろそろ資格試験を受けてはどうかと思います。
資格の一つも持っていれば、それだけで良い部署に転職出来ます。
あなた達なら多分一発合格出来るでしょう」
「資格か……」
「所でどんな試験なんだ?」
「教官試験です、持っていれば教導隊や、それだけで武装隊の隊長クラスになれますよ」
「いきなり隊長?」
「そう、隊長です、階級も3尉からですから給料もそれなりに高いですよ」
 その言葉はとてつもなく魅力的だった。
今までの曹長や一等空士とは違う遙かに高い給料、それまでとは比べ物にならない大出世だった。
「あ、でも私一つ階級が上がるだけなんだよね、ヴィータちゃん二つ飛ばしで上がるからお給料3倍だし」
 もう出世したつもりで居る二人、でもそれは裏でレティ提督が糸を引いている事だった。
 それは試験官も驚くほど優秀な成績だった。二人とも一発合格。
 そして4月1日、なのは達に辞令が下りた。
「高町なのは空曹長、階級を2尉とし、教導隊勤務を命ずる」
「ヴィータ1等空士、階級を3尉とし、教導隊勤務を命ずる」
 それは驚きの人事だった。
てっきり武装隊の隊長だと思っていたら教導隊だった。
 こうして、なのは達の出世物語が始まる。
2年後、なのはは空のエース、エースオブエースと呼ばれる様になる。
それはまだ少し先の話ではあるが……