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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件91-101話

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 その夜、シャマルは藁にも縋る思いではやてにメールしていた。
もう限界だとあまりに酷い地獄に耐えられないとつい弱音を吐いてしまった。
 でも、はやての返事は意外にも暖かい物だった。
「こんばんはシャマル、詳しい事はよう分からんけど、
何か大変な事になっとるみたいやな?
困った事があったら何時でも連絡してや私ら家族や、
なのはちゃん達みたいな心強い仲間だって居る。
シャマルはゆうてやんか?なのはちゃんが入院しとる時、
辛かったり、苦しかったり、悩み事があったら相談してって、
あなたは一人じゃない、一緒に頑張ってくれる仲間がいるのって、
シャマルは一人や無い!一緒に頑張ってくれる仲間がおるんや!
例えどんなに離れていても信じれば奇跡は起きる!奇跡を起こすんや!」
 暖かい涙がシャマルの頬を伝う。
 思わずはやてに返事を返していた。
この国に来て放り込まれた地獄をその悲惨さを切々と語っていた。
クラールヴィントが記録した映像をいくつも付けて助けて欲しいと訴えていた。
 返事を受け取ったはやては、そのあまりに悲惨な光景に言葉を失っていた。
もはや自分だけの判断では何も出来なかった。
 シャマルには2~3日後に返事をするとメールしておいた。
 翌日なのは達に相談するはやて、でもなのは達もどうする事も出来なかった。
みんなでアイディアを出し合うとクラスの授業で取り上げてはと言う事になった。
すぐに担任の先生の元へ行くそこから話が大きくなっていく、学校を上げて支援しようという事になった。
 話はそれだけに留まらなかった。誰かがTVで訴えようと言い出した。
話は海鳴FMへと持ち込まれた。
 シャマル先生がアフリカの大地で困っている、向こうで地獄を救おうと頑張っているとクラスのみんなで訴えた。
それだけじゃなかった、その話を聞いたあの親子が、1年半前、年末にシャマルが助けたあの親子がそしてなのはも、それを訴えた。
 それは奇跡だった。
海鳴の町から支援の輪がどんどん広がっていく、
やがてそれは、大きな救いの輪となって多くの難民達を救う事になった。
 はやては、シャマルに連絡していた。
1ヶ月以内に第1次の支援が届くと、もしかしたら少しだけ事態が改善するかも知れないと。
 シャマルは嬉しかった。
以前なのはに言った言葉が今自分に返ってきた。
『一人じゃない、一緒に頑張ってくれる仲間がいる』
それはシャマルにとってかけがえのない財産になった。
(だから私は医者としてやって行けるんだ)