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神手物語(ゴッドハンドストーリー)名医の条件102話~EP

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 一方、シャマル達はインドにいた。
エチオピアから湾岸戦争直後のイラクへ、そこは自爆テロの横行する危険な国だった。
次にパキスタンへ、本当はアフガニスタンに入る予定だったが、戦争が長引いていて入る事が出来ず、パキスタンに行き先が変更になった。
 そして今インドに入ったばかりだった。
ここまで、戦争の影響で緊張の連続だったが久しぶりに戦争のない平和な国だった。
ただ、ここは世界で一番貧富の差が激しい国だった。
宗教上の問題カーストに縛られ上の暮らしが出来ないで居る人々に救いの手を差し伸べるのが今回の仕事だった。
 でも、思ったよりも仕事がない。
それはこの所の経済発展でインドは急速に成長しつつある国だった。
それまで路上生活者世界一と言われた国はもうそこには無かった。
 確かに貧しい人々は居る。でも、貧しいながらに食べていく事も医者にかかる事も出来るまでに経済が発展してきていた。
 その為比較的医者の少ない地方都市での医療活動をしたり、ニューデリーの大学病院で、学生を指導しながらの手術をしたりという日々が続いている。
 ここでも、やはりシャマルの、いや、全て先生達のもの凄い腕が指導を受ける者、手術を受けた患者を驚かせていた。
全員音に聞こえたゴッドハンドである。
 アメリカにいる時から女神の名を欲しいままにしてきたシャマルは勿論、ヨハネスブルグ740万人をエボラ出血熱から救ったマルク先生も既に超有名人だった。
 大学病院で手術がある時は見学ルームはもの凄い人だった。
誰もシャマルの手術が見たくて、そのメス捌きが見たくてやって来るのだ。
その見学者の中にいつもスーの姿があった。
(私もいつか医者になろう、死なせてしまった人たちに謝る事は出来ないけれど、それでも助けを求めている人を多く救う事は出来るのだから)
 スーは固い決意を秘めていつもシャマルの手術を見ていたのである。

 インドでは比較的暇だった。
今までろくに休みが取れなかったシャマル達にとって、週に2~3日取れる休みは良い休暇になった。
時々ニューデリー市内でデートするシャマルと与那覇先生の姿が目撃されていた。
 どうやら二人とも旨くやっているらしい。
 残り8ヶ月、回る予定の国は、カンボジア、ベトナム、インドネシアだ。
いずれも戦争の影響で数多くの地雷がまだ残っていて、それによる犠牲者が後を断たない国だ。