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神手物語(ゴッドハンドストーリー)名医の条件102話~EP

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「実は、なのはさんの稽古を見学させて頂きたくて……」
 ファーン先生はそう切り出していた。
教導隊よりきつい訓練とはどの程度の物か?
どの教官もファーン先生もかなり興味があったらしい。
「まあ良いだろう、夜の稽古は7時からだ夕食後に見に来なさい」
 士郎はそう言った。
 夜の稽古は道場で行われる。
フェイトにはやても休暇中とはいえ必ず稽古に来ている。
そして今日はヴィータもいる。
 入念なストレッチの後、実践的な組み手を繰り返すなのは達、組み手だけでなく技の甘い所を見つけると士郎がその都度指導している。
 すり足、まるで氷の上を滑る様にステップを刻まない独特の歩法は達人になるほど美しい動きで相手を翻弄する。
 見ている全員息を飲むほどだ、それに加えてミッドチルダの常識では考えられないショートレンジからの重い打撃、どうやったらそんな事が出来るのか分からない。
 更にはその打撃を一瞬払うだけで軽々投げ飛ばす投げ技、ある程度なのはからレクチャーを受けている物のハイレベルの攻防がこれほどの物とは正直驚かされるばかりだった。
 最後の締めは試合だった。
フェイト対はやて、スピードを生かした動きから百重刺しに出るフェイト、それを足払いで牽制して手を取って投げるはやて空中で回り受け身をして着地し、そこから蹴りを出すフェイト、その瞬間はやての姿がかき消える。
扣歩で後ろに回らず横で動きを止めた瞬間フェイトの頭にぺたんと手を当てた。
フェイトが崩れ落ちていた。
 奥義、徹(とおし)が決まっていた。
フェイトは自分で徹(とおし)を相殺した物の既に負けていた。
「あら、今夜はギャラリーが多いわね」
 早番のシフトで美由希が帰ってきた。
「じゃあ私も混ぜて貰おうかしら?」
 なのは対美由希、達人同士の試合は簡単には決着が付かない。
見つめ合ったまま動かない、いやどちらが先に読むか?
読みに行く美由希に対して読ませる事で罠を張るなのは、構えた所から全く動けないで居た。
 二人の間を飛んできた蛾が通り抜けた瞬間お互い百重刺しの乱打から攻撃が始まる。
お互いに水鏡を使っている為攻撃を相殺し合うだけ簡単には決着が付かない。
 今度は打撃戦から手の取り合いに、差し手争いもほぼ互角だ。
そこで美由希が後ろに飛んで距離を取る。
 次の瞬間美由希の姿が歪んで消えた。
神速からの寸勁、しかしその寸勁が当たらない。
どうしても寸勁を撃つ瞬間足を止めなければならない。
その瞬間を水鏡で読まれていた。
 それだけでなくそれは無拍子からのカウンターだった。
寸勁を避けざまに左手で徹(とおし)を美由希に撃ち込んだなのはが勝利していた。
美由希の敗因は、距離を取って一度水鏡を切った事だった。
なのははそれでも読んでいた。
あとは盤上繰手で神速と寸勁という黄金パターンを出させてその上で破って見せた。
カウンターでのショートコンボはなのはの最も得意とする攻撃だった。
考えずにそれが撃てる。
そこまで半年かけて鍛えた事が今実を結びつつあった。
「まさかあれから数日でここまで強くなってるとは驚きだわ」
 なのはの成長力に驚く美由希だった。
 ギャラリーはもっと驚いていた。
超ハイレベルな攻防、目で追えない速さを制する技、これが高町家なのだと改めて気付かされた。
「朝の稽古は4時からだから」
 こうして夜の稽古は終わった。
 次の朝、4時から始まる朝稽古、
いつもの如く入念なストレッチ、その後は筋トレ。
「皆さんも参加してみませんか?」
 士郎の言葉に参加してみる教官達、筋トレ5分×3本は流石にきつかった。
そしてまだ教導隊ではやっていない棒渡り、これはきつい、
しかも始めた瞬間士郎が床に画鋲をぶちまけた。
「落ちる事はゆるさんぞ!」
 それは鬼のしごきだった。
なのは達は涼しい顔でこなしていくが、教官達はかなり酷い目にあった様だ。
 棒渡りの後は訓練場のある山までマラソンそして山駆け、
しかもなのはと美由希は二往復している。
教官達は付いてこられなかった。
いやファーン先生も山駆けの途中でへばってしまう。
そしてまたマラソンして帰ってくる。
 なのはの半端でない体力はこうして作られていた。
こうしてなのは達の訓練メニューは少しずつ教導隊に取り入れられていった。
 ファーン先生達はまだ帰らない地球には二泊三日の予定だという。
夕方にはユーノがやってくる。
 ちょっと困ったなのはだった。
(今日は諦めて普通にお祭りを楽しもう)

 夕方ユーノがやってくる。
心配した通り弄られまくるユーノとなのはだった。