必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第2話
そっと彼女の頭を撫でると、目を覚ました。
「野暮なこと聞く様だが……」
彼女に「何故」と聞いてみた。
「私帰る所も、待ってる人も居ないから、これしか生きていく方法が分からなかったし……」
彼女は既に天涯孤独の身だった。
両親は、会社を経営していたのだが、ある日突然殺され会社も人手に渡ってしまったのだ。
両親を殺され、財産さえ失い、それでも懸命に生きていこうとしていたのだ。
「管理局の保護は受けなかったのか?」
「ダメだよ、あそこはろくに人の話を聞いてくれないし、
人手不足で忙しいとか言って、まともに手続きしてくれないし」
「判った、俺がなんとかしてやろう、それまでは、俺の知り合いの所に預けるがそれで良いか?」
翌朝早く、ザフィーラは彼女をフェイトの所に連れて行った。
「仕事上の成り行きで、天涯孤独の少女を保護した、2~3日預かって欲しい」
その言葉をフェイトは快諾してくれた。
流石にフェイトの仕事は速かった。
あっという間に、生活保護の手続きと、アパートまで世話してくれたのだ。
「お前にアルバイトの口を紹介してやる、人前では絶対に変身を解くなよ」
そう言って連れて行ったのは、あの居酒屋だった。
店のおやじに頼み込んで、ウェイトレスとして雇って貰ったのだ。
何時しか、ザフィーラは彼女のアパートで逢瀬を重ねる様になっていた。
そんなある日のことだった。
飲みに来たザフィーラは、彼女の様子がおかしいことに気付いた。
イヤに殺気立っている。
心配になって話を聞いてみると、敵が現れたことが判った。
敵は、彼女の父親の会社を乗っ取った、現社長、副社長、専務、そして警備係(実は殺し屋)2名だった。
「おい、馬鹿なことは考えるなよ、お前一人じゃあ殺されに行く様な物だ!
もし、それでも敵が討ちたいのなら、仕事人を頼め、きっと何とかなる」
彼女を宥めながら、アパートまで送る。
そして彼女を抱いたのが最後だった。
数日後、彼女は変わり果てた姿で見つかった。
彼女の首に掛かったロケットには、幼い女の子と、幸せそうな両親の姿が映っていた。
怒りに打ち震えるザフィーラ、その目は見る物全てを殺しそうな殺気に満ちあふれていた。
彼女のアパートを片付けに言った時、机の上に封筒を見つけた。
封筒には「仕事人様」とだけ書かれていた。
中に30万入っていた。
ザフィーラはそこに20万足して50万にした。
作品名:必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第2話 作家名:酔仙