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必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第6話

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 その事件は、廃棄都市区画に近い裏通りから始まった。
有る麻薬の密売人が、トラブルか何かで惨殺されて路上に放置されていたのだ。
「うぁ~、これは酷いなぁ」
 まともに直視出来ないほど酷い状態の死体を見聞しながら、はやてとギンガが話していた。
「この辺りのヤクザの仕業だと思うけど、恐らくは見せしめね」
「やろうね、縄張りを犯された報復か?組に背いたのか?
しのぎを出さなかったのか?まあ、そんなとこやろう」
「まあ、この人手不足じゃあ、お蔵入りの事件でしょ」
 最近この界隈では、若者の薬物汚染が問題視されており、この売人もそれに一枚咬んでいた様だ。
一人でも売人が減れば、それに超した事はないのだが、それよりも、大本を一網打尽にしたいと、捜査本部は考えていた。
 そんな時、この殺人事件である。
これを切っ掛けに、密売グループを摘発出来れば、麻薬汚染問題はかなり少なくなると思われた。
「何ですと、何故捜査から手を引かねばならんのです?」
 ゲンヤ・ナカジマ部隊長が、モニターに向かって怒鳴っていた。
地上本部の重役からの圧力だった。
 何かがおかしい、JS事件後、管理局内は何かのたがが外れた様に、おかしくなりつつあった。
それもその筈である、JSのスポンサーであった最高評議会は、その資金源をマフィアや次元海賊共に頼っていたのだ。
締めていた頭が無くなれば、下の連中は好き勝手放題し始めるのは当然だった。
 全ての管理世界及び、管理外世界の駐留職員を合わせると、十数億人が働く巨大霞ヶ関と言っても良い時空管理局は、
大半は真面目な公務員である。
だが、中には腐った連中もいる。
 そう言う連中の中でも、特に最高評議会に近い者たちから黒い噂が聞こえてきていた。
 中には、管理局改革を声高に叫ぶ者も居た。
レティ提督は、その代表である。
局内は、事なかれ主義の穏健派、改革派、そして評議会派の三つに分裂しつつあった。
 そんな中で、今回の捜査中止命令は、どう見ても、犯罪絡みなのは間違いなさそうだ。
 ゲンヤは、取り敢えず捜査の中止をギンガとはやてに伝えるしかなかった。
だが、はやてはこれに強く反発した。
「なんで捜査したらあかんのです?ダメや言われても、一人で勝手に捜査しますからほっといて下さい」
 結局、はやては単独行動で、捜査を始めた。
「……と言う訳なんだよ、危なっかしくて見てられないから、誰かサポートに付いてやってくれねえかな?」
「判りました、主に何かあっては一大事です、私とザフィーラでなんとかしましょう」
「いや、そうじゃあないんだよ、お前さんとこの主人が負けるなんて事は万に一つもないと思うが、
ぶち切れてでかいのをぶっ放された日にゃ、このクラナガンが消えて無くなるからなぁ、そっちの方がよほど怖い」
 モニターのシグナムが、眉間にシワを寄せていた。
 結局、シグナムとザフィーラが交替ではやてをサポートする事になった。 


 シグナムは普段は仕事がある為、ザフィーラが通常はサポートに当たっていた。
ザフィーラは、ただのオオカミではない、ある時は警察犬としてオオカミの能力をいかんなく発揮し、重要な証拠を発見したり、
人の姿になっては、ヤクザ共をあっという間に蹴散らした。
 はやては、非常に楽だった、意外なほどに使えるザフィーラが、頼もしかった。
やはり、ただの番犬ではない様だ。