必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第6話
やがて、あの密売人に、家族が、妹が居た事が判った。
シグナムを伴い、その女の子に会いに行ったはやてだった。
相手は、まだ幼かった、彼はこの子を養う為に売人をやっていたのだ。
やっている事は褒められた物ではないが、彼の気持ちはよく分かった。
はやては、非常に辛い役回りをする事になった。
彼女に、兄の死を伝え、何か情報を得る事を余儀なくされたからだ。
「私は管理局特別捜査官の八神はやて言います、あなたのお兄さんが……
……と言う訳です、もしお兄さんから何か預かっていたら出してもらえんやろか?」
「……何もありません、密売人って何ですか?お兄ちゃんは、一体何をしてたんですか?」
本当に何も知らない様だった、どおやら空振りかと思ったその時だった。
アパートの部屋に強力な魔力弾が飛び込んできた。
咄嗟にシグナムがバリアを張って、はやてを守ったが、女の子は爆発に巻き込まれて、瀕死の重傷だった。
「……ク、クローゼットの中……箱……」
「あかん、今喋ったらあかん、しっかりするんや」
しかし、それが彼女の最後の言葉になった。
「シグナム、犯人を捕まええ!」
飛び出していくシグナム、しかし相手は、強烈な閃光を放って目をくらませた。
「申し訳ありません、逃げられました、しかし、ザフィーラが匂いを補足しているそうです」
近くに待機していたザフィーラは、最初の爆発から敵を感知し、既に追跡に入っていたのだ。
「シグナム、飛行許可を取っておいてや、それとギンガに連絡や」
そう言って、クローゼットの中を漁り始めた。
やはりあった、厳重に封印された箱が……中には札束と、メモリーチップが入っていた。
現場をギンガ達に任せ、箱を持ってザフィーラの後を追いかけた。
作品名:必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第6話 作家名:酔仙