新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第66話
制御不能に陥り、黒煙を上げて墜落する敵機。轟龍はそのまま降下してレフトアームでキメラロボットをキャッチする。
ギュゴオオオオオオオオオオ・・・・・ガギィイイイインッッ!!
MST B 「・・・・・・た、助かった??」
轟龍 『フンッ・・・・。』
戦闘終了後、丈はあえてそのまま帰還せずに夜のフライトに浸っていた。モニター画面には東京の夜景が広がる。
丈 (・・・・あいつにアレだけ引き止められちゃな・・・俺は何故かあいつにだけは心を許すことが出来た・・・菫・・・不思議なやつだ・・・。)
丈はその中で何故か菫のことを思い返す。
丈の回想・・・・・
外出していた紬の護衛をしていた丈。この時、待機中の車内で相方から轟龍の情報を聞いた。
相方 「丈、旋風寺で新たに開発中のロボット、轟龍って知っているか?」
丈 「轟龍?!初耳だな・・・。」
相方 「どうやらマイトガイン同様、パイロットを乗せるようだ。どうだ、丈?元々はパイロットやっていたんだろ?いっそ志願してみたらどうだ?」
丈 「・・・そうだな・・・ツキが回ってきたのかもな・・・。」
その事を、何故か不思議なまでに慕ってくれていた琴吹家のメイド・斉藤菫に告げる。彼女は琴吹家に仕える斉藤執事の娘でもある。菫は事のほか丈の志願を拒んだ。
菫 「そんな・・・パイロットだなんて!!」
丈 「俺にはやはり戦場という舞台が似つかわしい・・・。」
菫 「戦場って・・・・あの怪物達と闘うってコト?!丈さんにもしものことがあったら・・・・私はイヤっ!!」
丈 「菫・・・。」
菫 「それに旋風寺の人間になるってことでしょ?!そしたら私の心を許せる人がいなくなってしまう!!」
丈 「父親がいるじゃないか・・・それに年が近い紬嬢も・・・。」
菫 「ううん・・・・父さんや紬お嬢様とは違う・・・・言葉では表現しずらいけど、丈さんはとにかく色んな意味で心を許せる人なの!!」
丈 「・・・・・そこまでいうなら、もうしばらく考えてやる。だが、チャンスがあれば俺は轟龍のパイロットに志願する・・・・これは俺の揺ぎ無い選択だ!!」
菫 「どうしても乗る気なの?」
丈 「ああ・・・・・俺の決めたことだ。それまではできるだけお前と過ごしてやる時間を作ってやる・・・。」
菫 「丈さん・・・!!」
・・・・・
丈 「・・・・・ホント、不思議なヤツだ・・・。」
轟龍 『何が不思議なんだ?』
丈 「いや・・・・こっちのことだ。しばらく寝る。帰還したら起こしてくれ。」
轟龍 『了解した。』
そのまま両手を頭の後ろに回しながらモニター越しの夜景を堪能し始める丈。戦闘の事やこれまでの事、そして菫のコト彼の中で去来する。丈に少しばかりの安息の時間が流れた・・・。
だが、その翌日の同時刻。今度は未確認生態兵器が東京湾より襲来する事件が発生する。
バトルトレーラー特急、コマンド特急も各地点に向かって飛んでいく中、ジェット形態に変形した轟龍が、一足早く横浜のみなとみらいに到着する。以前にもデストリアンに襲撃された地域でもある。
やっと復旧しつつあった街並みに新たな災害がもたらされる。
モニターで現場を確認する丈。大型タイプの巨大生物が横浜の街で暴れまわる。
謎の巨大生物 「ガギョゴオオオオオオッ!!!」
ズガギャドォオオオオッッ!!!
ビルにカギ爪を食らわして崩壊させる。市民達の賑わいも崩壊する。ぐわっと人々を体中の触手で捕らえ、口に入れ込んで捕食する。
丈 「連日好き勝手やってくれてるな・・・事件てヤツは・・・いくぞ、轟龍っ!!!」
轟龍 『了解だっ・・・!!!』
BGM グレート・ダッシュ!! サビ:ギターver.
ズドォオオオオオオッッ!!
垂直に上昇し、各部を変形させていく轟龍。轟龍の頭部が持ち上がり、両腕が飛び出す。高速で回転する両腕で正拳突きを決めた。
轟龍 『ジェット・チェンジ・・・・轟龍っっ!!!』
轟龍に気づいた謎の巨大生物は、大口を開いて咆哮した。
謎の巨大生物 『ギョゴゴガアアアアアアァァッッ!!!』
咆哮する巨大生物に向かって轟龍は突撃していく。
ドォオオオオオオッッ!!!
轟龍 『このままダウンさせるっっ!!!』
丈 「ああ!!」
不敵な笑いをしながら丈は轟龍を加速させる。レフトアームを持ち上げ、腕を高速回転させる。
ギュイイイイイイイイイイッッ・・・!!!
轟龍 『スクリューナックルッッ!!!』
ドォガォオオオオオオオオオオオンッッ!!!
思いっきり吹っ飛ぶ謎の巨大生物。轟龍は惰性をサブブースター制御で殺し、巨大生物へと振り向いた。
丈 「牽制には十分すぎだな・・・・スクリューガトリング!!」
ヴォドゥルルルルルルルルルルルルルルルゥゥゥゥ!!!
ドォドォドォドドドドドドドォドォオオッッッ!!!
謎の巨大生物 「ギゴガアアアアアアア!!?」
高速に撃ち出された弾丸が、謎の巨大生物の身体の表面を砕く。轟龍は、巨大生物の頭上を飛び去り、港側へと着地する。ぐわっとその方向を見る巨大生物。開口した口からは粘液のような唾液がこぼれ落ちる。
謎の巨大生物 「ギュゴアアアアアアアアア!!!」
咆哮をすると、素早い動きで轟龍に向かって突進をする。おぞましい巨体が迫るにもかかわらず丈は不敵な表情をやめることは無い。
丈 「ふん・・・。」
ヴォドォドゥルルルルルルルガガガガガガガガァァァッッ!!!
ドォドォドォドォドォドォドォドォドォゴォオオオンッッ!!!
謎の巨大生物 「ヴォオオオオオオッ?!!」
連続で直弾していくスクリューガトリング。外面の肉を砕きながら謎の巨大生物を怯ます。煙幕が晴れ、再び咆哮する。
謎の巨大生物 「ゴガアアアアアアアアアッッ!!!」
そして轟龍は、装備されたバスターキャノンを取り出し、銃口をターゲットに向ける。
丈 「これに耐えられるか?化け物っ!!!」
トリガーを引く丈。バスターキャノンの銃口から高出力の紅いビームが撃ち出され、ターゲット目掛けて突き進む。
ヴゥゥ・・・ヴァドォアアアアアアアアアアアッッ!!!
ズドォヴァガアアアアアアアアアアアッッ!!!
謎の巨大生物 「ゴオオオオオオオオ??!」
撃ち出されたビームが巨大生物の肩の肉の一部を吹っ飛ばした。ゴリ押しのように撃ちつづける轟龍。
ヴァゴアアアアアアアアアッ!! ヴァゴァ、ヴァゴァッ、ヴァゴアアアアアアアアッ!!!
ズドォヴァアアアアッ、ドズガアアアッ、ギャドォゴォッ、ディギュガゴオオオオオッ!!!
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第66話 作家名:Kブレイヴ