機動戦士ガンダムRS 第5話 援軍の到着
ユーピテルの装甲に使われているチタン合金セラミック複合材は、ガンダリウムαと同等以上の耐久性を得ておりシールドはさらに積層構造をしているがミサイルを完全に防げるほどの防御能力は無い。
マックス中尉は、アーガマもどきにビーム・マシンガンを撃ったがアンチビーム爆雷によりビームがかき消された。
「俺の分隊は、ユーピテル・バズーカで攻撃する。
ロムニー分隊は、ビーム・マシンガンによる攻撃を続けろ。
アンチビーム爆雷とて効果が永遠なわけがない」
マックス分隊のユーピテルが腰部にビーム・マシンガンをマウントするとフレキシブルバインダーにマウントしてあるユーピテル・バズーカを外して両手のマニピュレーターに持たせた。
そして2機は、アーガマもどきに急速接近するとユーピテル・バズーカを撃った。
こうすることで機体の推力で弾頭を後押しできるため通常発射よりも初速が速くなるがビーム兵器に比べればやはり遅い。
そのため対空機銃で迎撃された。
ロムニー分隊は、ビーム・マシンガンでアーガマもどきを攻撃し続けやっと直撃弾を得た。
アンチビーム爆雷の効果が消えたのだ。
※
その衝撃は、アークエンジェルのブリッジを襲いさらに避難民に恐怖を与えた。
「何よ、これ?
何なのよ?」
フレイは、パニック寸前に陥っていた。
アークエンジェルの装甲に使われているラミネート装甲は、ビームの熱を排熱する機能があるが連続で命中したり予想以上の出力であれば装甲全体にダメージを受けてしまう。
しかしユーピテルのビーム・マシンガンの出力なら1発で装甲全体にダメージを受けてしまうことは、無い。
※
イザーク中尉は、ガンダムサイガーにビームライフルを連射していたが回避されていた。
しかし目立った反撃は、してこなかった。
「ちょこまかと逃げの一手かよ」
イザーク中尉は、その態度が気に食わなかった。
その攻撃にストライクガンダムも加わった。
※
サオトメは、敵ガンダムの性能の低さに少しがっかりしていた。
「所詮こんなものか」
サオトメは、白兵戦型ガンダムにメガビームライフルを撃って迎撃した。
※
マックス小隊は、アーガマもどきにハンド・グレネードを投げつけたがたいしたダメージを与えられなかった。
「クソ。
なかなかの武装だな。
取り付けない」
ロムニー准尉がアーガマもどきの武装を高く評価した。
「俺の分隊が艦底部から仕掛ける。
お前の分隊は、援護を」
「了解」
マックス中尉の命令にロムニー准尉が了解を示した。
マックス分隊は、アーガマもどきの側面から艦底部に行った。
※
それは、アークエンジェルでも確認できた。
「敵マン・マシーン、艦底部に展開」
ダリダ伍長がマン・マシーンの動きを報告した。
「底部イーゲルシュテルン、迎撃開始」
バジルール副艦長の命令で底部イーゲルシュテルンが迎撃を開始した。
「ゴットフリートを使う。
左ロール角、30。
取り舵20」
「左ロール角、30。
取り舵20」
ラミアス艦長の命令にノイマン曹長が復唱した。
アークエンジェルは、急速に姿勢を変えた。
※
その衝撃は、避難民を更なるパニックに陥らせた。
※
アークエンジェルは、ゴットフリートの2番砲塔を撃ったがユーピテルは回避しビーム・マシンガンで反撃した。
※
ロンバルディア、ドゴス・ギアとアレキサンドリアでは綿密な索敵が続いていた。
「敵戦艦、距離740に接近」
レディー軍曹が敵艦との距離を報告した。
「ドゴス・ギアから入電。
こちらは、いまだ敵を発見できずとのことです」
アディン軍曹がドゴス・ギアからの通信を読み上げた。
「あのモビルスーツとモビルアーマーは、本当に出ているのか?」
グラハム艦長は、いまだ敵が出てこないためサオトメの読みが間違っているのではないかと疑ってきた。
※
キラは、ガンダムサイガーに向けて57mm高エネルギービームライフルを連射していた。
「クソ、クソ、クソ」
キラは、ガンダムサイガーになかなか攻撃を当てられないのでいらだっていた。
そのためパワー残量が急速に減っていることに気づかなかった。
※
サオトメは、換装型ガンダムの攻撃を回避しながら武器選択パネルからカスタム・ビームザンバーを選んだ。
そして換装型ガンダムに向かっていった。
※
キラは、ビームサーベルで攻撃されると思ってシールドで防ごうとしたが攻撃は蹴りだった。
※
ガンダムサイガーがこっちに来るのを見てイザーク中尉は、本当の狙いが自分だと分かった。
「やってやる」
イザーク中尉もデュエルガンダムにビームサーベルを抜かせて鍔迫り合いをした。
しかしパワーは、敵のほうが上回っていた。
「何?」
イザーク中尉は、一度距離をとろうとしたが追撃してきた。
イージスガンダムとストライクガンダムは、援護射撃を行った。
※
サオトメは、換装型ガンダムを蹴るとその反動で白兵戦型ガンダムに向かっていった。
白兵戦型ガンダムもビームサーベルを抜いて鍔迫り合いになった。
しかしパワーが負けていると分かった瞬間距離をとろうとした。
「情けない」
同じガンダムなのにこれだけの性能差があるとやはり言い知れぬもやもや感が襲ってきた。
※
フラガ大尉とクルーゼ中佐は、デブリの中を慣性航行で敵艦に近づいていた。
「まだか?」
フラガ大尉は、まだ敵艦を捉えられないことにあせりを感じていた。
※
「敵戦艦、距離630に接近。
まもなく本艦の有効射程距離圏内に入ります」
レディー軍曹が敵艦との距離を再び報告した。
「索敵を綿密に続けろ。
こちらからも攻撃したいがこう乱戦されては、無理だ。
アンチビーム爆雷の発射準備。
向こうは、撃ってくるぞ」
グラハム艦長は、自分たちも攻撃したかったがマン・マシーン隊が邪魔でそれができなかった。
※
イザーク中尉がガンダムサイガーに押されているためキラは、援護射撃を続けていた。
しかしキラは、無駄に57mm高エネルギービームライフルを撃っていたので他の機体よりパワー残量の減りが速く既にイエローゾーンに突入していた。
そのときコックピット内に警告音が鳴った。
レーダーを見ると4機のユーピテルが援軍にやってきたのだった。
キラは、攻撃をユーピテルに替えた。
※
フラガ大尉とクルーゼ中佐は、ともに敵戦艦を補足した。
※
それは、サオトメにも分かった。
サオトメは、味方艦に通信を入れた。
「機関最大。
艦首下げ、ピッチ角60。
直掩隊は、艦底部に展開」
サオトメは、的確に命令を出した。
※
「サオトメ少佐から通信です。
艦首下げ、ピッチ角60。
直掩隊は、艦底部に展開とのことです」
アディン軍曹がサオトメからの通信を読み上げた。
「やはり敵が来るのか?
艦首下げ、ピッチ角60。
直掩隊は、艦底部に展開」
作品名:機動戦士ガンダムRS 第5話 援軍の到着 作家名:久世秀一