機動戦士ガンダムRS 第5話 援軍の到着
ロムニー准尉は、ユーピテル・バズーカを発射し弾頭が換装型ガンダムに向かう。
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それは、アークエンジェルでも確認できた。
「キラ」
トールは、思わず通信がつながっていないにもかかわらず叫んでしまった。
皆も戦慄を感じた。
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弾頭は、ビームに比べれば遅いが着実にストライクガンダムに近づいていた。
ストライクガンダムは、アグニと予備バッテリーを装備した。
直後に弾頭が命中し大爆発した。
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それは、アークエンジェルでも確認できた。
ラミアス艦長は、思わず立ち上がり皆も呆然と見ていた。
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それは、サオトメを除いて同じだった。
サオトメは、いち早く状況が分かっていた。
「退け」
サオトメは、ロムニー機に通信を開くとそう叫んだ。
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その爆発を見てロムニー准尉は、撃墜を確信した。
「退け」
そのときサオトメの叫び声が聞こえた。
直後爆風からビームが飛んできた。
「何？」
何とかロムニー准尉は、撃墜は防いだが右腕に命中され右腕を破壊された。
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ストライクガンダムは、1発アグニを撃つと爆風から姿を現した。
その後アグニを連射した。
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ロムニー准尉は、ユーピテルのバランスを立て直そうとしたが今度は左腕に命中され左腕を失った。
遅れてきたマックス中尉が換装型ガンダムを迎撃しようとしたが支援型ガンダムと黒いガンダムに阻まれた。
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サオトメは、潮時を感じていた。
そのとき別方向から強力なビームの軸が走った。
「やはり援護の艦隊か」
サオトメは、少し前からこの艦隊の存在に気づいていたが正確な艦の数までは把握できていなかった。
ここで新手が加わるとすれば少々厄介になる。
部下は、ガンダムと戦艦との戦闘で疲労が溜まっているはずである。
まだまだ戦争は、続く。
ここは、戦力温存で次の機会を狙えばいい。
「後退信号だ」
サオトメは、部下に命令した。
ユーピテルのマニピュレーターの指基部には、トリモチランチャー（多目的ランチャー）が設けられトリモチダミーバルーンや信号弾などを射出することができる。
この機体もマニピュレーターの指基部から後退信号を挙げた。
マン・マシーン隊は、撤退して行った。
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ストライクガンダムは、なおもアグニを発射し続けた。
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「敵マン・マシーン群、離脱しました。
前方ロンバルディア級、本艦の針路上から離脱しました」
ダリダ伍長が敵の動きを報告した。
それを聞いたラミアス艦長は、安心したせいか脱力して席に倒れこむように座った。
そして大きく息を吐いた。
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アークエンジェルでは、ブリッツガンダムが着艦しこれで全ての機体が着艦した。
イザークは、ブリーフィングルームにあるロッカーを力いっぱい殴っていた。
「やめてください」
そこに入ってきたニコル中尉が止めようとした。
「新型機だぞ。
それも5機もいたんだ。
それにクルーゼ中佐やフラガ大尉もいながら敵を1機も撃墜できなかったんだぞ。
こんな屈辱があってたまるか」
今度は、ニコル中尉に掴みかかってそういった。
「それならあなたが強くなればいいことじゃないですか。
僕が知ってるイザーク・ジュールという人は、そうします」
その言葉に自分を多少取り戻したイザーク中尉が掴むのをやめ部屋から出て行った。
しかしニコル中尉も自分たちの機体よりもマン・マシーンのほうが優れているのにうすうす気づいていた。
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「おい、坊主。
早く出て来い」
マードック軍曹は、ストライクガンダムのコックピット内にいるキラに呼びかけたが返事は無かった。
そこに異変に気づいたフラガ大尉が近づいてきた。
「どうした？」
フラガ大尉は、ストライクガンダムに近づきマードック軍曹に聞いた。
「いや、なかなか坊主のやつが出てこないんですよ」
「おやおや」
フラガ大尉は、先輩であるためなんとなく察しはついた。
「おい、早く出て来いよ」
フラガ大尉は、そういいストライクガンダムのコックピットを開き中を見た。
そこには、恐怖で操縦桿から手を離せなくなっているキラがいた。
フラガ大尉も初陣後は、同じような症状に陥った。
そのためキラが出てこない理由がすぐに分かった。
「もう終わったんだ。
もう手を離しても良いんだ」
そういいながらフラガ大尉は、キラの手を操縦桿から放させた。
「よく生き残った。
上出来だったぜ」
その言葉にキラは、やっと我に返り自分の両手を見た。
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フレイは、通路でサイを見つけると駆け寄って泣きながら抱きついた。
そこには、他の避難民もいたが関係なかった。
「サイのバカ。
バカ、バカ、バカ。
怖かった。
凄く怖かったのよ、私。
船が凄く揺れるし私1人だったし」
そういってフレイは、サイの胸でおお泣きした。
サイは、そんなフレイを抱きしめることしかできなかった。
※
デブリに身を潜めたη艦隊は、ルナツーから呼んでいた遊撃艦隊第251艦隊と合流した。
遊撃艦隊の名前の由来は、第αβで決まる。
αには、第1艦隊から第5艦隊のどれに所属しているかの数字が入りβには何番目に編成されたかが入る。
主な任務は哨戒、補給部隊の護衛と雑用である。
そのため積極的に前線に赴かない性格上兵士の質もかなり低くなっている。
艦のほとんどは、旗艦にマゼラン級戦艦と僚艦にサラミス級巡洋艦で構成されているがこの艦隊だけ旗艦がアレキサンドリア級のアル・ギザである。
理由は、この部隊のマン・マシーン中隊長にあった。
「確かにこのデータは、本国に持ち帰ります」
サオトメからデータの入ったディスクを受け取ったケイト・リー准尉が中隊長である。
この女性は、「ジャブローのモグラ」の1人であるアマド・リー将軍の娘である。
このアル・ギザは、もともとブライアン中佐が指揮するη艦隊所属艦であった。
それをアマド将軍は、大切な愛娘を量産型戦艦に乗せることを許さずあらゆる手段でアル・ギザを遊撃艦隊に配備し旗艦にした。
そのため第251艦隊は、「モグラの尻尾」という不名誉な呼ばれ方をしていたがサオトメは気にしていなかった。
「俺たちは、あの艦を引き続き追うぞ」
「了解」
サオトメは、振り返り部下に命令した。
部下たちは、敬礼した。
※
アークエンジェルは、援護の艦隊と合流していた。
「艦、特定。
ナスカ級ヴェサリウス、ヘルダーリン、ホイジンガーおよびローラシア級ガモフ、ツィーグラーです」
「ハルバートン准将旗本の機動部隊だわ」
ロメロ伍長からの報告を聞いてラミアス艦長は、表情を明るくした。
「アデス艦長の艦隊か」
バジルール副艦長が艦長の名前を言った。
フレドリック・アデス少佐とは、ナスカ級DDMH（高速戦闘艦）ヴェサリウスの艦長を務めクルーゼ中佐とは顔なじみである。
※
ラミアス艦長は、事の経緯とこれからのことを旗艦ヴェサリウスの艦長であるフレドリック・アデス少佐に報告した。
「そうか。
作品名：機動戦士ガンダムRS 第5話 援軍の到着 作家名：久世秀一