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【とある】とある神秘の氷彫刻師【①】

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#2 学園都市



少女は空港に降り立った。
そして、道に迷った。

「なにここ?」
水野はすでに日本語をマスターし、実に流暢にしゃべることができた。
しかし水野がいるのは東京の3分の1の面積を持つ【学園都市】である。

ここは学園都市の第23学区。
見たことのない動くドラム缶に、様々な形の携帯電話。
何がなんだかわからないし、このままだとまずくるようにといわれた本部でさえ到達できない。
「はぁ、どうしよう・・・」
すると、学ランをきた一人の青年がタラタラとした足取りでやってきた。
今は8月。普通の人間は暑い。非常に暑い。
けれど、水野にはあまり苦にならない。
なぜなら周りをかすかな氷のかたまりで覆っている。
自分専用のそなえつきクーラーってところだ。
「あの、すいませ〜ん!」
迷子になったら思い切って聞く!
それがこの少女のモットーである。
思い切って声をかけてみた。
「はい?」
青年はあまり目立たない親切そうな顔つき。
「あの、道に迷ってしまって、ここから学園都市本部へ行きたいんですけど・・・。」
「え?道に迷った?オレにきいてます?」
「あ、忙しいですか?ならいいんで!失礼しました。」
突如、
「ちょっとまちなさい!アンタよそこのアンタ!」
女の子の声がした。
女の子は茶色の髪の毛でやっぱり制服を着ている。
灰色のプリーツスカートの丈がやたらと短いことは・・・触れないでおこう。
「ん?なにこの子?」
その茶髪の女の子は水野の顔をまじまじと見つめた。

「あなた制服じゃないみたいだけど、こいつの知り合い?」
こいつ、とはさっきの学ランの人のことだろう。

「わたし、道に迷っちゃって・・・。ついさっき学園都市に来たばかりなんです。」

「えっ?そんな人いるんだ!こんな中途半端な時期に。」
水野には何が中途半端なのか分からなかった。
なぜなら水野はこれまで【学校】というものに通ったことがないからである。
それは仕事を持っていたし、学校に行く必要性を全く感じなかったから。

「えっと、本部まで行きたいんですけど。」

「本部?あぁ学園都市の?う〜ん、かなり遠いわね。」

「げっ!あのそれってどれくらいかかります?」

「空間移動能力者
テレポーター
でもないかぎり、5、6時間はかかるわね。」

「ほぇ〜。どうしよう、あと2時間で行かなくっちゃ!」

「う〜ん、じゃあ私の知り合いに頼んでみるわ。」
そういって女の子は(カエルの)携帯電話だと思われるものを取り出した。

「もしもし?あぁ黒子?なんかさぁ困ってる子がいてちょっと来てくれる?うん今第七学区だから。
じゃあね。」
電話を切って女の子は水野の方に向きかえった。

「うん、すぐくるって。」

「あの、ありがとうございます!」

「いいっていいって。そういえばあなた名前は――――」
と言いかけたところで突然人が現れた。

「お姉さま〜!」
ツインテールの少女。腕にはなにかフォークがかいてある腕章をしている。
「麗しのお姉さまからの電話をきき、黒子は急いで駆けつけてきましたのよ〜。」
『ビリビリっ』
電気の音がして、突如ミニ雷が落下した。

「黒子ぉ!この子ドン引きしてるでしょうがぁ!」
今度は電気の槍が何本も。

「あら、私存じませんこと。いきなり人の頭上に雷撃をするお姉さまの方が危ない人ですわよ?」
それをツインテール少女のほうは何度も消えてよけている。

「初めまして。私、風紀委員
ジャッジメント
の白井黒子と申しますわ。」

「風紀委員?」

「あぁ。貴方はまだ学園都市に来られたばかりでよく分からないのですわね。
風紀委員とは学園都市の治安維持を務める学生による部隊の事ですわ。
教師による部隊は警備員といってこちらの方が本格的なのです。」

「ほー。すごいんですね、学園都市は。」

「ところで貴方、名前はなんと言いますの?」

「水野凛です。えっとまだ学校とかは決まってませんし、学校も、行ったことないです。」

ここでさっき白井にお姉様とかよばれていた茶髪少女がつぶやいた。
「でも一応小学生からは義務教育なんじゃ・・・。」

「わたしはアメリカにいたのであんま関係ないんです。でも勉強はちゃんとしましたよ!
帰国が決まった2ヶ月で図書館に通いつめて日本の小学校6年間分の勉強+@を習得しました!!」

「えっ、それって・・・。」

「?」
どうやらこの少女は自分がすごいことを言っている事を全く気づいていない。

「まぁそこはいいでしょう。ちなみにあなたは何の能力者ですの?」

「う〜ん。ちょっとまだわからないけど、出来ることって言ったら・・・。」
そういうと、水野はペットボトルを取り出して蓋をあけた。

「ちょっとそのストラップ、見せてもらえますか?」

「あ、うんこれ?」
茶髪少女の鞄についていたカエルのストラップをまじまじと見た。

すると水がペットボトルから出てききて形を作り出した。
だんだんとそれはカエルの形になり、鞄のカエルストラップと同じ水の彫刻になった。

「あっ、ゲコ太だっ〜!」

「今これは氷にしてないですけど、こっちのほうが解けないですから。」

「これあの・・・。」
茶髪少女の目が訴えていた。
このカエルをよこせと。

「あ、いいですよ。お世話になったお礼もしたいですし。これでいいならどうぞ。」

「いいの?いいの?」

「はい。もちろん。これは仕事でもやってましたし。」

「ホント?ありがとう!!!!」

「お姉様。」

「なっ、なによ黒子?」
白井があきれた顔をしていた。

「まったく見ず知らずのお方にお名前も名乗らないでそんなカエルにうつつをぬかすなんて・・・。
常盤台中のエース、超電磁法
レールガン
の名前が泣きますわ。」

「ゲコ太を馬鹿にするな!でも名前は言ったほうがいいわね。
私は御坂美琴。常盤台中の二年生よ。」

「はい。今日はありがとうございました。」

「では急ぎましょう。本部へは3・4回空間移動すれば
すみますが、まぁ万が一のためですわ。」

「すみません。何から何まで・・・。」

「いいんですの。困っている方を助けるのもジャッジメントの仕事ですから。」

「では行きましょうか。」
白井がそういうと白井も水野も第4学区まで来ていた。

「すご〜い!ホントに空間移動
テレポート
だぁ!うわぁ〜!白井さん、すごいね!」

「えぇ、まあ空間移動能力者は学園都市でもめずらしいほうなんですの。」
白井は少し戸惑った。
(・・・超能力に慣れていないとはいえ、そこまで喜ばれるとは思っていませんでしたわ)

「そういえば貴方、どこの中学に行きたいかくらい決めているんでしょう?」

「そうですね・・・。女子校がいいなとは思いますけど、よくわかんないんです。
そういうのは本部で決めるみたいですし。わたしみたいなのは特殊なケースだから。」

「でも少し位選択の余地はあるでしょう?」

「そうですね。白井さんはどこの学校なんですか?」

「私もお姉様も常盤台中学校ですわ。もっとも強能力者
レベル3
以上しか入学できませんが。」