二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【とある】とある神秘の氷彫刻師【①】

INDEX|6ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 

(なんていうドロドロな関係・・・?)
水野はこの二人がこんな関係だったとは思いもしなかった。

「いや密会なんかないし!俺はこのビリビリに追いかけまわされてここまできただけなんですけど!」
水野が何事かとよってみると、その男性はさっき水野が道を聞こうとした学ラン高校生だった。

「あのぉ、なにごとですか?」


その瞬間、場の空気が凍った。

              
「なんで水野さんがここに・・・?」
御坂が唖然として聞いた。

「あっ、わたし常盤台中学に編入するので、白井さんにここまでついてきてもらいました。」

「おまえは迷子少女じゃないか!」
学ラン高校生は思い出したようにいった。

「こんにちはです。」
水野は笑って言った。
そして御坂のほうに振り返った。

「というわけで、よろしくお願いします。」
ぺこっ、という効果音がつきそうな雰囲気で水野は頭をさげた。

「あ、うん。よろしくね。」
御坂はさっきまでの出来事を忘れたようにいった。
「あの、俺のことは無視かな〜?」
学ラン高校生がため息をついた。

「あっ、どうも。水野凜です!よろしくお願いします。」 
水野が「自己紹介してませんでしたね」、とぼそぼそつぶやいた。

「俺は上条当麻だ。水野はどんな能力者なんだ?」
やっぱり学園都市
このまち
の人は能力が気になるのだろうか。

「こんな感じですよ。」
水野がさっきと同じようにペットボトルの水を床にぶちまけたとき、【それ】は起こった。


水野が盛大にコケたのだ。


「ったた・・・。」
彼女は声を上げて立ち上がろうとしたとき気がついた。
自分のスカートが全開になっていたことに。
そしていまさっき上条と名乗った男性がそこを見ていたことを。

「あ、その、これは――――。」
上条が弁解しようとしたそのときに、彼の同級生がやってきた。

「カミやんやないか!なにしてるにゃー?」
土御門元春。
陰陽師を極めた魔術師だが、この瞬間の土御門はただのロリコンでしかなかった。

「なっ!カミやんが見知らぬ少女(年下)のスカートのなかを・・・!」
上条がこのタイミングで一番会いたくない人物である。

「不幸だーーー!!」
上条が絶叫した。

「なんで見るんですか!!!!!!」
水野は泣きながら言うと、たっ、と走り去ってしまった。
「見られた・・・。」
水野はクレープ屋の屋台の前で、泣いていた。
しかも、男の人に。
しかし号泣している彼女のことをだれも気に留めない。
そんな中、一人の男の人がいた。

              @

「やっぱり、話しかけるべきかな・・・。」
その男、佐々木紅葉
ささきくれは
は物陰から水野の事を見ていた。

「あの子、一人っぽいしここは行こうかな・・・。」
佐々木は学園都市で7人しかいない超能力者
レベル5
の一人で当然強い。
しかしこんなところで女の子に話しかけようか迷っているほど優柔不断なのだ。

「よし!ここは話しかけよう!」
意を決して、佐々木は歩き出した。


「あの、どうしたの・・・?」
水野はいきなり頭の上から声が降ってきたことに驚いた。

「えっ?」
水野が顔を上げた瞬間、二人は思った。

『すごくかっこいい(かわいい)人だ・・・。』

               @

佐々木は水野の横に座り、おずおずと話し出した。

「どうしたの?」
水野は迷った。
果たしてこの心配そうに自分のことを見ている人に話していい内容だろうか。
しかし彼女は正直にいった。

「ぱんつ、見られちゃったんです。」

「・・・えっ?」
佐々木は目を丸くした。
まさかこの女の子が泣いている理由が、そんなことだったなんて・・・。

「お嫁にいけませんよ!」
水野はまた泣き出しそうな顔をした。

「いや、でも、風にふかれてスカートがめくれちゃった子だっていっぱいいるだろうし、
それくらいでお嫁に行けなくなる事はないし―――。」
二人の頭上からまた声がふってきた。

「なにかあったら俺がもらってあげるし。」

「・・・・・・。」
わずかな沈黙の後、佐々木が怒り出した。

「蓮!何てはずかしい台詞を・・・!!」

「いやぁだってお前なら言うかな〜って。」
ベンチに座っている佐々木の頭に手を乗せた少年はニヤニヤ笑って言った。

「それに、学園都市第6位の超能力者
レベル5
がこんなところでナンパですか〜?」

「なっ・・・!」
さっき少年がはいた台詞に佐々木が赤面した。

「『なんぱ』ってなんですか?新種の化石かなんかですか???」
当の本人は全く気がついていない。

「・・・なにコイツ?」
少年は半ばあきれたように言った。

「ムッ。わたしは水野凛です。能力もレベルも未定です!【コイツ】なんていう名前じゃありません!
それにこっちが名乗っても一向にしゃべりだす兆しがないんですけど!!」
水野は頬をぷくっと膨らませながら言った。

「わりぃ、わりぃ。オレは時魅蓮
ときみれん
だ。
学校は長点上機学園で強能力者
レベル3
、ちなみに能力は能力把握
スキルハッカー
。」
時魅蓮と名乗った少年は頭をぽりぽりかきながら自己紹介した。

「ほら紅葉!お前もだろっ?」
蓮は佐々木の背中をドンと押した。

「俺は佐々木紅葉。この馬鹿と同じ長点上機学園に通っている。
能力は発火能力
パイロキネシス
。」
そこまで言って戸惑った佐々木の代わりに蓮が言った。

「コイツは超能力者
レベル5
だからお前も気ぃつけた方がいいぜ?
なんせ怒らせたら山1つ分ぐらいはヘーキで燃やすような奴だから。」
蓮が笑いながら言った。

「わたしは今度から常盤台に編入するの。わたしが扱えるのは水だから紅葉さんとは逆だね。
これからどうぞよろしくお願いします。」
水野はぺこっと頭を下げて、にっこり微笑んだ。

「おぅ。よろしくな!」
「よろしく、水野。」
二人の少年もつられて笑った。

そして少女は微笑んだまま思った。
自分はこうしてどんどん過去のことを忘れていくのかと―――。

                  @

「そういえばさぁ、お前はなんで一人なわけ?友達とか、親とかは?」
蓮が不意にそう問いかけた。
彼らはそのままクレープを買い、(水野は食べたことがなかったのか非常に喜んだ)それぞれの事について話しているのである。

「あ、えっと・・・。
実は逃げ出してきちゃったんだ!わたし。」
水野は答えながら思い出したように叫んだ。

「おいおい、落ち着けって。」
佐々木がなだめ始めたとき、彼らの背後から水野を呼ぶ声が聞こえた。

「お姉様!迷子少女を発見しましたわ!」
白井は叫びだすと同時にいっきに空間移動で水野の目の前まで来た。

「貴方っていうお方は!
学園都市に来てまだ1日も経っていないのに!
自分から迷子になるほどアホなのですか!?」
白井は水野の頭をぐりぐりと両手で押さえつけた。

「いたっ!白井さん何をするんですか!?」
水野は目に涙をにじませながら白井に言った。

「何をするんですかとお尋ねしたいのは私の方なのですよ水野さん!」
白井の声は怒りに震えていた。