yamatoへ…Ⅰ
時々微熱を出しながらも次第に体力が付いてきたのか退院前にはだるさも抜け退院する日が決まった。一週間後の予定だったがなかなか体調が思わしくなく結局10日後に退院した。
守は寮母さんに申請して一か月進が滞在する許可をもらい病院に迎えに行った
「進くん良い結果の報告待ってるよ。退院しても半年の間は二週間に一度外来で検診に
来る事。それで異常がなければ月に一度検診にしよう。だるさを感じたらしっかり休む
事。無理が聞かない体だからね。しつこいようだがおかしいかなって思ったらすぐ私に
会いに来る事。分かったね?」
モリタから守の前で念を押され進はうなずいた。モリタは守にもくれぐれも無理させない事を伝えた。
二人は守の寮へ向かうとまず寮母さんに挨拶して守の部屋に向かった。
「疲れただろう?横になるか?」
守はそう言うとイオンドリンクを進に渡した
「久し振りに病院の外に出たからな。まぁ横になれ。」
進は素直にベッドに横になった
「今日は弁当をもらってくるからゆっくりしろ。ここの食堂の弁当は最高級なんだぞ!
あ、勉強は明日からな。弁当は幕さんに頼んであるんだ。」
「幕さん?」
「同期で寮の食堂のボス。幕の内ってヤツで…いいメシ作るんだよな。だんだん食材も
きつくなってるだろうにさ。まぁ全ては明日だ。それと兄さんの次の休みの日地下都市の
部屋に行ってみよう。地下都市の管理組合に問い合わせたら鍵くれて。次の休みは…
4日後だな。体調悪くならないように夜遅くまで勉強しないようにな。」
「わかった。」
「それと兄さんが仕事に行ってる間は自由にしていいぞ。リニアに乗ってモールに行っても
いいし…おいしいもの食べてきてもいい。(引出しからチップを出して)これはお前名義の
マネーチップだ。小遣い…だな。無駄遣いしないようにするんだぞ」
「いいの?兄さん…」
「ばか、子供は“ありがとうございます”って言ってもらえばいいんだよ。そのおかねは
母さんが支送りしてくれてた分なんだ。防衛大学でて社会人になったのに支送り止めて
いいよって言ってたのにずっと送ってくれてた分だから…実際俺もいくらになってるか
わからないんだよな。お前の服何もないから明日体調がよかったら買い物でもしてこい
俺の服じゃでかすぎるだろ?」
進はうなずくとそのチップを受け取った