yamatoへ…Ⅰ
進は目を輝かせて話を聞いていた
「なんだ、お前はこーゆー話苦にならないのか?(進がうなずく)珍しいやつだな…まぁ
そんなわけで毎日他の寮と同じ献立を工夫して少しでもおいしくたくさん食べてもらおう
と頑張ってるわけよ。要は軍人足りとて空腹では何もできないってことさ。でも食べる事
を考えてると戦う力が疎かになるしそれは畑違いの事だ。だから俺がその道のプロに
なってやろうって思ってるわけ。まぁいつ必要とされるか分からんがな!」
そう言いながら幕の内は豪快にわらった
「…そうですね…艦の中で地球と同じもの食べられたら幸せですよね。」
進は幕の内に机の上以外の勉強も習った。二人してかなり集中していたので幕の内は仕込みの時間を過ぎた事に気付き“また明日な”と言って厨房へ引っこんで行った。進はそのまま図書室へ向かい勉強を続けた
「お前の弟はずいぶんガリベンなんだな」
進がシャワーを浴びていたので守は飲み物を買いに食堂に来ていた。ちょうど幕の内は一週間のカロリー計算をしていて食堂で端末を叩いていた
「俺に似たんだ」
そういい張る守に
「バカ言え、お前に似たんじゃないだろう。お前はさらっと流しただけじゃないか…筆記の
テストは下から数えた方が早かったはずだ。それでも本当の試験になるとトップに近く
なるから不思議だったがな。進くん試験受けるんだろう?それも何だか難しい…って
真田が言ってたぞ。俺より真田を頼った方がいいと思うが…」
幕の内がそう言うと
「真田が教えたらそれこそ受かるものも受からなくなる。あいつじゃ奥深く教えそうでとても
じゃないけど全教科勉強できなくなるだろ?」
マネーカードを自販機に当てながら守がそう言うと
「…そうかもな。かなりマニアックだからな。」
守は明日も頼むな、と言って3本買ったイオンドリンクの一本を幕の内に渡すと食堂を出て行った