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yamatoへ…Ⅰ

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部屋に戻ると進はお風呂から上がっていた

  「兄さんごめんね、いつも先に入って…空いたからどうぞ」

守は進にイオンドリンクを手渡した

  「進、ちょっと俺出かけてきていいか?そうだな…ひょっとしたら遅くなるかもしれないから
   先に寝てていいぞ。同期のヤツの所に顔だしてくるから。」
  「わかった。留守番くらいちゃんとできるよ。鍵持って行ってね。寝るときしめちゃうから」

進はそう言うと守を送り出した


守は真田の研究室へ向かった

  「俺だ、いるんだろ?」
  「あいてる」

守はビールをしこたま買い込んで研究室へやってきた

  「おめでとう」
  「なんで知ってる?」
  「お前の顔見りゃわかるだろ。よかったな…でも本人一人にしていいのか?」
  「今まで一か月以上一緒にいたんだ。今日一日ぐらい大丈夫だろ。遅くならないうちに
   帰るし。まぁお礼がてらいっぱい…」

守はそう言って袋からビールを取り出すと一本真田に渡した

  「勤務中なんだがな」

苦笑いする真田に

  「お前24時間営業だろ?いい加減休めって。ほら、つまみもあるぞ」

守はそう言って備え付けのソファーに腰かけた

  「まさか本当に受かると思わなかったんだ。これから施設探さないといけないなって思って
   て…施設もいろいろあるだろ?ちゃんとした私設の所に入れたかったんだ。でも軍の寮
   なら大丈夫だろうし…でもあいつさこの試験にすごい賭けてたんだよな。俺それに気付か
   なくて…悪いことしたなぁって思ったよ。」
  「まぁ普通施設の事考えるよな。なんてったって合格率0%だもんな。だいたい小学校の時
   試験受けてるからたいして数字は変わらなくて合格ラインに届かないんだと。だからきっ
   と進くんの場合一部受けてない試験があっただろ?って事はちゃんと試験受けてたら
   予備生として呼ばれてたって事さ。」
  「そうか…(ビールを一口飲んで)もしかしたらその時だったらすごい嫌がったかもしれない
   今と環境が違い過ぎる…兄として喜んでいいのかわからないよ。でも合格して喜んでる
   弟を見てるとそんな複雑な心境を知られちゃいけないって思うしな…」
  「兄さん、って難しいって顔してるぞ。お前が訓練学校に志願した時の親がきっとそんな顔
   してたんじゃないか。まぁ進くんにしてみたらお前は親と同じだろうからな。」

そう言って真田もビールを飲んだ


作品名:yamatoへ…Ⅰ 作家名:kei