yamatoへ…Ⅰ
<<こちら地球防衛軍〇〇、只今爆心地付近に到着!…爆心地付近で子供発見!
収容しますのでエアポートに救急車の手配お願いします。>>
爆心地の視察のため軍のヘリが出動していた。爆心地は高濃度の放射能に侵されているのでヘリに乗ってる隊員は完全防備で乗り込んでいる
進は爆心地付近で倒れていた。そこには何もなかった。進は布きれを握りしめたまま倒れていてそのまま中央病院へ搬送された。進の身元は身に付けていたカードで判明した。
そしてニュースを見ていた守にすぐ連絡が入り守は中央病院へ駆けつけた
ICUでいろんなチューブにつながれてなんとか呼吸をしてる進がそこにいた。数時間前笑顔で別れたのに…なぜ…
「進君のご家族の方ですか?」
温和そうな医師が守の顔を見て声をかけて来た
「はい、古代守です。弟は…」
「えぇちょっと長くなりそうなので…看護士が付いています。向こうでお話しましょう」
医師はそう言って守をICUから連れ出した
「申し遅れました、私担当のモリタと申します。まず弟さんのお名前を確認させて下さい。」
「古代進です。13歳です。」
「ご両親は三浦にお住まいで?」
「はい…弟は私に面会に来ていて…その帰りに被害に遭ったと思います。…私が…
帰り際に両親を頼む、と言わなければ…進は歩いてでも帰ろうと思わなかったかも
しれない…私のせいで…」
守は我慢していた涙が一気にこぼれた。モリタはその守の肩をたたきながら
「弟さんの放射線の被ばく量が致死量を超えています。防護服でしか立ち入れない所
で倒れていたので…その場にどれぐらいいたか今の時点で分かりませんが…それでも
弟さんは生きようとしてるんだと思います。我々にできる事は全てやりました。後は
彼の生命力にかけるしかないんです。お兄さんも力になってあげてください。失礼ですが
お兄さんは軍の方?ですよね。」
「すみません、取り乱して…はい、その通りです。先日火星から戻ってきました。今日は
たまたま面会のために休暇を取っていて…」
「そうでしたか…明日、あさって…この三日間がヤマだと思ってください。それと…もし他に
連絡付く御親戚の方とかいらしたら…」
「…いえ…多分…」
守の言いたい事がわかったのでモリタは何も言わずうなずくと
「…辛いでしょうが入院の手続きをお願いしていいですか?」
そう言って入院窓口を教えて部屋を出た