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yamatoへ…Ⅰ

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守は進の病室の前で深呼吸すると

  「ただいま!」

と言いながら入って行った。
 
  「兄さんお帰り。疲れた?」

進はにっこり笑いながら返事を返すと

  「全然。楽勝楽勝だよ!それよりちゃんとメシ食ったか?どんどん食糧事情は悪くなって
   行くんだから出されたものはちゃんと食べろ。もったいないからな。それとどうだ?リハ
   ビリ始まってるのか?きついか?」

そう何も知らないふりして守が聞くと

  「食事もしたくないし…リハビリもしたくない。」

そうボソっと言った

  「なんでだ?ちゃんと食べないと今は大丈夫でも抵抗力が落ちるぞ?ちゃんと食べろよ」
  「…ちゃんと食べたって…体がよくなったって…地下都市に閉じ込められて…それで
   一生終わるんじゃ意味ないじゃないか。とうさんもかあさんもいなくなって…僕、どう
   やって生きていけばいいのかわからないよ…」

進は泣き出してしまった

  「進、何言ってんだ!地下都市から出てまた空の下で遊べるように兄さんたちが頑張って
   戦ってるんだ。まだ戦いは始まったばかりで戦果はまだだけど…一緒に頑張ろう…
   そして地下都市から出たらお前は好きなことすればいいんだ。ほら、お前昆虫とか
   好きだったろ?よく森に獲りに行って…そう、木とか草とか…すっごい詳しかったじゃ
   ないか。いろんな勉強たくさん出来るぞ。」

守が一生懸命慰める

  「…でもそれはあの遊星爆弾を止めないとダメなんだ。」
  「だからそれは兄さんたちの仕事だって言ってるだろ」
  「遊星爆弾が父さんと母さん…みんなを殺したんだ…そうだ…自分に何ができるかなんて
   考えたことなかったけど…遊星爆弾を落としてるヤツ…そいつに…」

今までの進らしくない力のこもった話し方だった

  「絶対に復讐してやる…俺がこの手で…殺してやる!」

進は憎しみでいっぱいの目で自分の掌を見つめた
人と争う事が嫌いでケンカ一つしなかった弟のセリフとは思えず守は何も言えなかった



作品名:yamatoへ…Ⅰ 作家名:kei