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僕らのサマーウォーズ

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とわかったのかわからなかったのかよくわからない相槌を聞き流し、侘助は子供たちと通信する。
「いきなりで済まないが、今は時間がない。この中に、誰かシステムエンジンについて詳しい人間はいないか!?」
その言葉に、光子郎が答える。
「あ、はい!」
「今そっちにパソコンのデータを送る。そしたら・・・」
「大丈夫です!僕自分のパソコンを持っています!」
そして後ろに背負ったパイナップルマークの黄色いノートパソコンを取り出す。それを見た侘助は「頼もしいな。」と小さく呟き、話を続ける。
「今からやつのカウントダウンを停止させる。協力してくれ。」
「カウントダウンを停止させる!?そんなことができるんですか!?」
「できるという確証はない。だができなければこちらに勝算はない!」
その言葉に光子郎は時間を見る。残りは40秒を切っていた。
「分かりました!具体的に何をすればいいですか!?」
「今から指示を出す。連携作業で行くぞ。」
「はい!」
そして二人でまた新たな戦いを挑み始める。その様子からDLはこちらの動きを察知し、光子郎にまっすぐ襲いかかってきた。しかし、アトラーカブテリモンがそれを遮る。
「光子郎はんに、手出しはさせまへんで!ホーンバスター!!」
アトラーカブテリモンの一撃は、命中はしなかったが、十分牽制にはなったようだ。その様子を見ていた空がみんなに伝える。
「私たちは光子郎君のフォローをしましょう!ガルダモン!」
「わかった!空、離れて!」
そしてガルダモンは、再び襲いかかってきたDLにシャドウウイングを飛ばす。敵は難なく交わしたが、その眼前に突然オメガモンが現れた。そして先ほどのお返しとばかりにガルルキャノンをゼロ距離から放つ。もろに直撃を受け、遠くに飛ばされていく。
壁に叩きつけられたDLだが、すぐに体制を立て直しこちらへ襲い掛かってこようとする。だがその前にキングカズマの高速飛び蹴りがきまった。
「よし、行くぞ!」
「はい!」
侘助と光子郎、二人のエンターキーを叩くタイミングが完全にシンクロする。その直後、まさにOZ中がカッという音がしたのかと思う程の強い光で満たされる。光が消え、全員の視界が元に戻った時、カウントダウンは『00:00:01:28』のまま停止していた。
「やった!うまくいきました!!」
「ああ。あとは頼むぞ!!」
「はい!」
そしてオメガモンとキングカズマは真正面から敵と向かい合った。
「さあ、ケリをつけよう。」
キングカズマがそう言った1.3秒後、三体は猛烈なスピードで激突した。
繰り返される光弾の衝突と影の交錯。その時、DLがキングカズマの後ろを取った。
「そうはさせない!」
すんでのところでホーリーエンジェモンのエクスキャリバーによる一閃が加えられる。聖剣によるダメージは大きかったのか、DLは姿を消した。
「みんな!お互いでお互いを守るんだ!」
そのヤマトの言葉に全員が一箇所に集合する。そしてオメガモンとキングカズマを取り囲む様な陣形を取った。
何かが破裂しそうな緊張感の中、子どもたちはじっと待つ。
「そこっ!」
エンジェウーモンが矢を放つ。ズドンという爆音とともに煙が上がる。その中からDLがおぞましい形相で突っ込んできた。
「行こう!ホーリーエンジェモン!」
「わかった!タケル!」
ホーリーエンジェモンが飛び出す。二体は猛スピードで激突し、そのまま激しい応酬を繰り広げる。DLの体勢を崩したホーリーエンジェモンが一閃を放つ。DLはそれを瞬間移動でかわし、背後から攻撃を仕掛ける。
「フラウカノン!」
リリモンの一撃がそれを阻止した。その隙を逃さずホーリーエンジェモンが切り飛ばす。
「次はオイラの番だ!」
と言うや否や、ズドモンがまるで最終回満塁の場面でバッターボックスに立った四番バッターのようにトールハンマーを構え、フルスイングのハンマースパークを放った。
「ホーリーアロー!」
「シャドウウイング!」
すかさずエンジェウーモンとガルダモンが波状攻撃を仕掛ける。
「行きまっせ!ホーンバスター!」
DLの背後に待ち構えていたアトラーカブテリモンが角で突き飛ばす。これだけの攻撃を受け、ついにDLの動きが止まった。
「今だ!!!」
「行けぇえぇぇぇぇぇぇ!!!」
「ぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
オメガモンとキングカズマ、二つの影が超スピードで突進し、見事にDLを貫いた。
OZの音声プログラムが破損してしまったのかと錯覚するほどの静寂がほんの一瞬続いたのち、DLの体が爆音とともに塵芥と化した。
「ヘブンズゲート!」
ホーリーエンジェモンがこの悪夢が再び起きないよう散らばった塵を亜空間に送り込む。すべての塵を亜空間に送り込み、ゲートが消滅する。
辺はまた静かになった。
「終わっ た・・・?」
「私たち、勝ったのよね?」
「うん、勝ったんだ。ボクたちの勝ちだ!」
「ぃぃぃいやったああああああああああ!!!」
ネットの中と外、双方とも大きな勝どきが上がった。いや、勝どきというよりはただの歓声といったほうが正しいか。それぞれがそれぞれの喜びを叫び合っていた。
「本当にありがとう。おかげで助かったよ。」
「いや、それはこちらの言葉だよ。ありがとう。」
太一とキングカズマの両名ががっちりと握手をする。とここでキングカズマがずっと気になっていたことを質問する。
「ところでその生き物はいった・・・!?」
質問しかけたキングカズマの目に幼年期まで退化したコロモンの姿が映り、途中で言葉が止まる。
「たいちぃ!」
「コロモン!よくやったな!!」
「な・・・?」
いつの間にか現れたピンクで丸い生き物とじゃれあう太一を見て唖然とする。唖然としたまま周りを見回してみると、やはり全員が全員同じような状態になっている。というより、あのでかい生き物たちは一体どこに?次から次へと理解不能なことが巻き起こっている現状に、しばし混乱する。
とりあえず、質問を再開させる。
「そ、その小さいのは一体何?それとさっきまでいたあれは・・・?」
「ああ、こいつらはデジモンって言ってな。さっきまでいたあのでかいやつらはそのデジモンが進化した姿なんだ。」
「デジモン?進化?」
「んでこいつは幼年期のコロモンっていうんだよ。」
「幼年期?」
ここにきて相手が全く話を理解できていないことに気付いた太一は、光子郎に説明役をバトンタッチする。
「今さらだけど、私たちって今ネットの世界にいるのよね。」
「なんだか不思議な感じがするね。」
「というより、この場所自体が不思議だな。ほら、見てみろよ。あそこにあるのは野球場じゃないか?」
「ほんとだ。あ、あそこに本屋さんがあるよ。」
「あっちはオフィスビル街みたいだな。」
「まるでひとつの国みたいね。」
「本当に一つの国みたいなものなんですよ。」
と、唐突に声が聞こえその方を向いてみると、リスっぽい生き物とその後ろにデジモンよりはるかに多種多様で奇天烈な姿をした集団がいた。
「・・・・・えっと、あなた達は。」
「デジモン・・・・じゃないよね?」
「はい、僕たちは普通の人間で、この姿はアバターなんです。」
「あばたー?」
作品名:僕らのサマーウォーズ 作家名:平内 丈