yamatoへ…Ⅱ
昼休み4人が進の様子を見に医務室へ向かったがすでに姿がなく校医の先生より病院に向かったと聞いた。
「病院に行かなきゃいけないほど悪いのかな…」
相原が食堂でため息をつきながらつぶやいた
「きっと…そうなんだろうな…。」
島がそう呟くと加藤と山本が
「そうなんだろうなって何が?」
と聞いてきた。
「実は古代が三浦に遊星爆弾が落ちた時の生き残りじゃないか…って。ほら、ニュース
にもなっただろう?爆心地付近で少年確保、って。でもその後なにも報道されてない。
生きてるのか死んでるのか…なにも報道がなくて…」(島)
「じゃぁ古代は実験体、って事?」(山本)
「うん、そうかなぁって思ったんだ。」(島)
「被爆後の様子を見る、と言う意味でも絶対に死なれては困るという意味で…」(島)
4人は無言になってしまった
「でも…古代くんがそれで元気でいられるなら…」(相原)
「そうなんだよな、普通だったら施されない治療もさせてもらえてそれで助かるなら…
俺は…いいと思う。」(島)
「でもなんで倒れるんだ?」(加藤)
「俺たちに追いつこうと必死だったんだろ。俺たちに大学の講師が来た頃からちょっと
おかしいなって思ったんだ。体育でもすぐ息切れしてたし…運動神経がいいのに
時々付いて来れない時があっただろ?」(山本)
「俺たちに言わないって事は俺たちを信用してないってことなのかな」(加藤)
「いや、あいつの負けず嫌いから考えると同情されるのがイヤなだけだろ。ばかだよなぁ
ちょっとキツイ、って言えば何てことないのにな。」
島は大きなため息をついた。そこへ橋本がやってきて隣に座った
「橋本先生…」
「休憩中すまんな。昼飯は…食べ終わってるか。…古代の事だろう?今中央病院に入院
した。しばらくは面会もできないらしい。月曜日には戻ってくると思うから心配しないで
大丈夫だ。」
「面会も出来ないくらい重症なんですか?」(加藤)
「いや…ただ病院の方から面会は遠慮してほしいと言われてね…。心配だろうけど…
元気になって戻ってくるのを待ってほしい」
「先生も病院行かないんですか?」(島)
「あぁ…様子を見に行きたいがな…まぁ病院に入れば無理も出来ないし大丈夫だろう。
古代を運んできてくれてありがとうな。」
そう言って橋本は席を立って食堂を出て行った