yamatoへ…Ⅱ
金曜日進は学校を休んだ。しかし授業はいつも通りに進み午後にはテストもあった
「どうする?行ってみる?」
加藤が昇降口を出ると3人に向かって言った
「中央病院だろ?」
島がそう言うと
「リニアに乗ればすぐだよ。」
相原がそう言うと4人はステーションに向かって歩き出していた
「入院受け付け…入院面会…面会…どこが受け付けなんだろう?」
目立つ訓練学校の制服。普通の訓練学校生より幼く見えるので病院に来てる人達がめずらしそうに4人を見る
「なんか俺たち目立ってないか?」
山本が言うと
「やっぱりそうか?制服のせいかな?やっぱり出直してくればよかったかな?」
相原が言うと
「来ちゃったもんはしょうがないさ。」
島はキョロキョロしながらフロアーをウロウロしていた
「君たち!」
4人はガードマンに呼び止められた
「どこの訓練学校の生徒かね?こんなところでうろうろして!用事がなかったら帰りたまえ
それとも先生を呼んだほうがいいか?」
ガードマンは明らかに少年と分かっているのにヤケに威圧的な態度をとる
「友人が入院してるって聞いて来たんですけど…」
島がそう答えると
「子供だけの面会なんて騒がしくてまわりの迷惑になるだけだ。さっさと帰りなさい」
ガードマンは警棒を出した
「どうして子供だけで来てるってそれだけで警棒を出すんですか?」
山本が冷静に問いただすと
「僕等騒いだりしてませんよね?わからなくてうろうろしてるだけです。それが嫌なら
面会の窓口教えてくれればいいだけじゃないですか?警棒出したら子供が恐れて
逃げて行くと思ったら大間違いですよ。」
島もそれに付け加えた
「なに?」
ガードマンは山本と島の態度を見て警棒を振り回した
「危ないですよ、ここ病院ですし。」
山本はその警棒を左手で受け止めると右手でガードマンの手首をつかんだ
「言っておきますけど僕等何もしてないですからね。あなたが勝手に僕等を勘違いして
警棒振り回したんですからね。」
島がガードマンの傍でそう言った。加藤が山本から警棒を受け取る
「自分が大人だからって上から目線で言ってほしくないな。」
加藤が警棒を見ながらそう言ってると
「ひょっとして進くんの友達かい?」
4人そろって声の方を向くとそこに白衣の男が立っていた。ガードマンはモリタを見て
「先生、コイツらどうにかしてください!大人に向かっておちょくったこと言いやがって…」
山本に掴まれた情けない恰好で媚びて来た
「…ちょっと遠くから見ていたが…もう少し大人の振る舞いをしたまえ。彼らの方がよほど
しっかりしてた。ここは病院だ。騒がしくしないでくれ。…キミ(山本の顔を見て)彼を
解放してくれないかな(加藤に警棒を差し出すよう手を出して)キミもそれを私に…」
山本は両手を離し加藤は警棒をその“先生”と呼ばれた男に渡した。
「コレ(警棒)はしばらく預かっておく。キミ達はちょっとこっちに来てくれるかな」
4人は分からなかったが“進くんの友達かい?”と声をかけられたのでこの白衣の男に付いて行くことにした