yamatoへ…Ⅱ
ふと15分の休み時間になった
「15分休憩した後またくるからね。」
そう言って橋本、他の4人の教官も席を立ち教室を出て行った。張り詰めていた空気がプチっと切れるような音がしそうなくらい緊張がほぐれた
「うぇ~キツキツ!」
短髪の少年が腕を回しながら進に近づいてきた
「最初からこれでびっくりでしょ。」
背の高い少年もやってきた
「でもまだまだだよ。これからもっときっついからね」
長髪の少年もやってきた
「さっき校長室で会った島。よろしく」
癖っ毛の少年が右手を差し出したので進も右手を差し出して握手をした
「俺、加藤、加藤三郎。文字通り三男坊。よろしくな」
「山本明。」
「相原義一です。よろしく」
進は三人順番に握手をした
「古代くん、すごいね。今まで0%って知ってて受けたの?」(相原)
「うん」
「ちょっと聞きたいけどさぁ…古代くんのお兄さんってスペースイーグルって呼ばれてるあの
古代守さんの弟さん?」(加藤)
「うん」
「へぇ~昨日泊まりに来てたのってじゃぁ守さんなんだ!」(加藤)
「うん」
「今日も来てたよ。校長室にいたもん」(島)
「うん」
「かっこいい?」(加藤)
「うん、なんかね、オーラが出てる。でも俺誰?って思ったけど橋本教官が同期らしくて
親しげに話してたよ。」(島)
「そうなんだ」(山本)
「腹減ったなぁ…」(加藤)
「まだ昼間で2時間あるぞ。我慢しろよ。」(島)
「腹減って脳みそ働かないかも…」(加藤)
「しょうがないなぁ…ほら(相原が席に戻ってパンを投げた)」(相原)
「おぉ!ロールパンじゃないっすか!相原また食べきれなかったの?」(加藤)
「うん、だからと言って捨てられないし…多分また加藤くんがお腹空いたって騒ぎそうだった
から袋のまま食べないで持ってきた。」(相原)
「頂きます!」
進の目の前で加藤は小さなロールパンを二口で食べた
「足りねぇ…足りねぇよぉ~」
「我慢しろよ。デブると艦載機乗れなくなるぞ?」
山本の一言に
「大丈夫だよ。全然!痩せようと努力しなくても太らないんだから!」
加藤が胸を張っていう
「…太ると艦載機に乗れないの?」
そう進が聞くと
「いや、基本的なコクピットの大きさってあるだろ?まぁそれをオーバーするヤツなんて
ほとんどいないけど機敏さ、って意味でね…一応体重の増減は毎日チェックしてるよ。
まぁ義務じゃないんだけどね。」
島がそう答えた
「あ、そろそろ休憩時間終わりだ。」
相原がそう言うと“おう”と言って自席に戻って次の授業の準備に入った。再び空気の張り詰める音がしたような気がした