yamatoへ…Ⅱ
進も休憩をとりながら何度かバスケにチャレンジして気付くと午後6時前だった。
キリのいいところで体育の授業を切り上げると教室に戻って着替えて帰ることになった
「毎日こんな感じ?」
進が相原に聞くと
「そう。午後はほとんど体育。でも金曜日だけ体育は2時間って決まってるんだ。その後
テストがあるからね。今週古代くんはテスト受けないんでしょ?」
「うん…でも受けさせてもらおうかな…点数はさておきどんな感じのテストなのかちょっと
知りたい気もするから。」
「そうだね、僕も最初のテストすごい緊張したもん。感じとしては一斉テストと変わらない
感じなんだけど合格点が90でしょ?それがねぇ…結構ドキドキする。」
「明日橋本先生に相談してみる」
みんなが着替え終わると教室を出て昇降口に向かうとそこに守が立っていて
「みんな弟をよろしくな。進、ここで…頑張れよ。」
そう言うと颯爽と門の方へ歩き出してしまった
「兄さん…」(進)
「かっこいいなぁ…さすがはスペースイーグル…宇宙の鷹…」(加藤)
「加藤くん、何それ?」(進)
「守さんのあだ名。艦載機に乗るとまるで鷹のように自由に早く飛ぶんだって。」(加藤)
「へぇ…」(進)
「兄ちゃんに聞いたんだ…伝説の生徒がいるって。兄ちゃんも口をきいたことないって言っ
てたから…俺今日話せてうれしいんだ。帰ったら自慢しよう!」(加藤)
「…って何番目の兄貴?」(山本)
「二人とも!」(加藤)
「加藤君て…何人兄弟なの?」(進)
「一番上が一郎、二番目が次郎、俺が三郎、弟が…」(加藤)
「4人兄弟?」(進)
「そう。全員2つ違い!」(加藤)
加藤はそう言ってニッカリ笑った
「…さて、今日はどうする?」
島が全員を見渡して言った
「歓迎会、だろ?」
加藤が嬉しそうに言うと
「そうだな、じゃぁ俺の部屋でいいか?」
島が自分の部屋を提供するという。
「じゃぁ先に買い物して帰るか」
5人は一緒にモールに向かって歩き出した。訓練学校と寮はすぐ隣。寮の中にも売店はあるが品数が少ないのでステーションの方にある小さなモールに向かった
「古代くんには悪いけどみんなお金ないから歓迎会だけどワリカンだよ。」
進がうなずくとみんな走り出した
(最初教室に入った時は張りつめた空気に付いていけそうもなかったけどいい仲間とめぐり
会えたのかもしれない…父さん、母さん…頑張るからね。見ていてね)
進は気持ちを新たにするのだった