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yamatoへ…Ⅲ

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翌日島は進を連れて実家へ向かった。リニアに乗ると島は実家に一度連絡を入れた

  「お前の所ってそんな小さい弟がいたんだ。」

進は昨日の事を思い出して言った。

  「あぁ、生まれたときなんかすっげぇかわいかったよ。ホント小さくって生きてるのかなって
   覗き込むとビクビクって動くんだよな。不思議な生き物だったよ。学校から帰るとすぐ
   次郎の部屋に行って…おむつ替えた事もあるんだ。」

嬉しそうに言う島の顔と兄、守の顔がダブる

  「でも…島はどうして予備生になったんだ?」(進)
  「あぁ、俺はね本当は行きたくなかったんだ。まだ12そこそこで家を出るって事にすごい
   抵抗があったし…そのころはまだ緊迫感がないって言うか…まだまだ日本は大丈夫
   だろう、みたいな風だっただろ?でも古代も何度かやったと思うけどあの時どきやって
   たテスト…あれの結果を先生が持ってきて一緒に校長室へ行ってほしいって言われて
   ついて行ったら軍の人がいて“君を訓練予備生として訓練学校に通わせる”って言い
   出して…びっくりしたよ、何の前触れもなく…両親もいないし…」(島)
  「それで?」(進)
  「断ったよ。余りにも急ですぐはい、そうですか。って言えないだろ?」(島)
  「そうだよね」(進)
  「そしたら家に帰ってる途中に実家に連絡があったみたいでさ、家に帰ったらそのまま
   母さんがエアカーに俺と次郎を乗せて学校にとんぼ返りさ。学校の校長室で待ってた
   んだけどそこに父さんも会社からタクシーでやってきて…何の騒ぎかと思ったよ。
   で、そこで両親に事の次第を説明して予備生として訓練学校に通う事を了承させようと
   したんだけどやっぱり親はせめて中学卒業まで待ってほしいって掛け合ってたんだ。
   でも日本もいつ遊星爆弾が落ちるか分からない、少しでも早く軍の訓練を受けてくれる
   優秀な人材をそろえたいって事で…
   政府からの要請だけど義務教育中だからと言う事で断れるって話だったんだけど…
   俺が予備生になれば実家を優先的に地下都市に避難させるって約束してくれたんだ
   そのころはまだ“地下都市ができました、早めに入ることを進めてますよ”ぐらいの頃
   だったんだけど軍が用意した地下都市はトウキョウシティーに近くて治安もいいところ
   だったんだ。両親は“まだ地下都市はいいよ”って言ってたけど俺は“避難するなら
   早めがいい”って思ってて…」(島)
  「じゃあ島って実家のために予備生になったのか?」(進)
  「多分加藤も山本も相原も同じさ。加藤は兄弟が多いから一人でも家にいない方が母親
   が楽だろうってで、地下都市も用意してくれるなら、って出てきて相原は年老いた両親
   だからなかなか準備が出来なくてどうしようかって思ってた時だったから予備生になる
   事を了承したらしい。山本はその話をしたことないけど…きっと同じ条件を言われてると
   思うんだ。」(島) 

作品名:yamatoへ…Ⅲ 作家名:kei