yamatoへ…Ⅲ
「疲れただろう、トウキョウシティーでも少し郊外になるからね。家はそぐそこだから…
トウキョウシティーの中心だともっと高い建物ばかりだろう?このあたりは低層の建物しか
建たなくてね…。静かなところで治安もいいし…」
父親の言葉の通りエアカーはすぐとまった
「さぁ急ごうか。次郎が首を長くして待ってる。」
そう言うと3人はエアカーを降りた。進はありがとうございました、と言いながら降りた。
低層住宅…ざっと見て5階…6階建てだろうか?いくつか並んだ建物の一番端の1階の玄関に案内されて父親が扉を開けると3歳くらいの男の子が走って来た
「にーたん!にーたん!」
そう言いながら大介のじゃれついている。少しじゃれてから横にいる進に気付いた
「次郎、こんにちは、だぞ?」
進は少ししゃがんで“こんにちは”と言った。次郎が恥ずかしそうに島の後ろにへばりつこうとしたが島が前に出して
「ほら、兄ちゃんの友達だよ。ごあいさつは?古代はお前にこんにちはしてくれたぞ?」
そう言うと次郎は恥ずかしそうに
「こんにちは」
と言いながら走って玄関の中へ走って行ってしまった。
「恥ずかしくて母さんの所へ逃げたな。ははは、しばらく会わない間に言葉がしっかりした
なぁ…初めて兄ちゃんって呼んでくれた。」
玄関で話していると母親が玄関にやってきて
「おかえりなさい、大介。あなた、ありがとう。…あら、(進がはじめまして、と言いながら
頭を下げる)あなたが古代くんね?いらっしゃい!どうぞ入って。」
優しそうな母親が招き入れてくれた
「ふふふ、大介大きくなったわね!元気そうだし…お勉強は大変?」
口を動かしながら二人をソファーに座らせてお茶の用意をしてる
「うん、大変だったけど結構楽しかった。今はもう訓練学校と同じ訓練してるよ。」
「そう、忙しいのねぇ…でもどうして急に戻って来たいって…夏休みだって戻って来なかった
のに…」(母)
「去年一年は休みなしで勉強だよ。お正月だって春休みだってずっと勉強してたし。夏だっ
て一般の訓練生は休みだけど俺たちは毎日学校に通ってて…何も変わらなかったよ」