yamatoへ…Ⅲ
「クッション膨らませようぜ!」
加藤が嬉しそうに荷物を放り出すとポンプのスイッチを入れてクッションに吹き出し口を差し込んだ。一気にクッションが膨らみ小さめの一人用のソファーになった。次々とふくらませて加藤はその一つにどっかりと座った。
「なかなかの座り心地だな。」
と悦に入っていたがその間にみんなは部屋割をしてさっさと自室に入ってしまった。加藤が振り返るともう誰もいなかった
「あ!誰だ?リビングに一番近い部屋取ったの!」
加藤はノックもせず扉を開けるとそこにいたのは山本だった。
「お前いい部屋取ったじゃねぇか!」
「早いモン勝ちだ。」
山本は涼しげな顔をしてさっさと加藤を追い出した
「その隣は誰だ?」
やはり加藤はノックしないで扉を開ける
「うわ!」
古代だった。なぜか上半身裸でストレッチを始めていた
「ばか、裸でやるなよ!」
加藤はそう言いながら進の前の部屋を開けた
「あれ?加藤くんは僕の隣だよ」
相原だった。
(…と言う事は古代の隣は島…その向いが俺…)
「なんだよぉ~テレビから一番遠いじゃねぇかぁ!みんなのためにクッションふくらませて
働いてたのに…その間に部屋勝手に決めちゃうなんてひどいぜ…」
そう廊下で叫ぶ加藤に島が出てきて
「加藤、うるさいぞ。廊下は静かに!…まぁ食堂とトイレが一番近いって事で勘弁しろ」
そう言うとすぐ扉は閉まった
「そうか、そうだな。食堂が近いのはありがたい…ってたいして変わらんじゃん!」
叫んでも誰も出てくる様子がないので加藤はしぶしぶ自室にあてがわれた部屋に入って行った