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yamatoへ…Ⅳ

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月基地へ来て2カ月が過ぎた。

島は順調に訓練を重ね無事大型戦艦のライセンスを習得した。一番大きな艦のライセンスを習得したことで地球上のすべての戦艦を動かせると言う事になった。
相原もありとあらゆる分野での通信方法のライセンスをごっそり取りついでに小型艦のライセンスも習得した。これがあればどこに配属されても救護艇くらいならすぐ操縦できる。地球でときどきシュミレーションしていたのが功を奏して早めに取る事が出来た

艦載機の3人も何とかライセンスを習得する事が出来た。普通の中学二年生なら絶対にありえないライセンス。それも訓練学校ではなく本当の訓練所で習得した、と言うのが大きなポイントだろう。訓練学校で習得した場合実戦で使えるようになるまで時間がかかる。しかし三人は実戦に出られるぐらいまで腕を磨きあげていた。


  「あっという間の二か月だったな…」

進は展望室に来てソファーにどっかりすわりながら赤い部分が大半を占め始めた地球を見ながらつぶやいた。

  (兄さんは今何してるんだろ…ライセンス取ったこと伝えたら喜んでくれたけど…)

兄の事を思ったら不意に父と母の事を思い出した

  (父さんと母さんは最後まで一緒だった…突然命を奪われて…幸せだったのかなぁ…)

父と母が生きていたら…そんな仮定は予備生になる時に考えまいと捨てた…が、こうして地球を見ていると今まで考えないようにしようと思っていたことが次から次へと浮かんでくる

  (多分…あいつらと仲間になることはなかっただろうな…)


  「古代」

進は肩をたたかれて我に帰った

  「珍しいなお前がぼーっとしてるなんてさ。」

島がイオンドリンクを二本持っていてそのうちの一本を進に渡した。進はそれを“ありがとう”と言いながら受け取るとキャップをとって一口飲んだ

  「検査の結果はどうだったんだ?」

島が進の横に座りながら聞いた。先週の土曜日ここにきて二度目の検査だった。

  「…ん?大丈夫だったよ。前回の方が数値が上がってた。今回の方が平均値だったよ。」

進がそう言うと

  「そうか。悪化してから病院に行くと大変なことになるからな。」

進は時々島と一緒にいると守と一緒にいる感覚を覚える時があった

  「前回だって声かけなかったらお前行かなかっただろう?今ここで入院なんてなったら月
   まで来た意味がなくなるからな。最低限のライセンスを取って帰らないといけないしな。」

島も安心したようにイオンドリンクを飲んだ。

  「悪かったな…」

進がバツ悪そうに言うと

  「お前が我慢しちゃうのはよく知ってるからな。何とも思っちゃいないよ。それに守さんに
   お前の事頼まれちゃってるしさ。しょうがないだろ?」

島はそう言うとニカッと笑った。

  「…だから先週は自分で行ったんだ。」

少し拗ねるような言い方をする進を見て島は笑った
  
  「どうせ先生に自己管理ぐらい自分でやりなさい、って言われたんだろ?何となくわかる
   よ。橋本先生がお前の事エライ心配してるらしい。相原が毎朝訓練学校と連絡取って
   当日の訓練予定と前日の訓練結果を報告してるらしいんだけどさ…
   ほら、相原も星間通信のAライセンス取っただろ?それから地球との連絡の担当に
   なったんだと。俺もまだだけどあいつ救護艇のライセンス取ったんだぞ。看護士までは
   いかないけど救助活動に参加できるんだ。あいつが一番早く外に出て行くかもな。」

島も地球を眺めながらつぶやく

  「そうだな…あいつ何ケ国語話せるんだ?」

進が“日本語、英語、スペイン語、中国語、韓国語…”指折り数えていると島が
 
  「アジア圏内は日本語と英語と中国語話せればほとんど通じるけどな…まぁあいつの場合
   話せない言葉を探した方が早いかもしれないな。」

島がそう答えると

  「そうかも知れないな。すげぇな、あいつ!」

二人はしばらく展望室で地球を見ながら話していた








作品名:yamatoへ…Ⅳ 作家名:kei