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yamatoへ…Ⅳ

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  「クッソ・・・」

部屋に戻ってきた加藤はリビングのエアーチェアーに座ると拳でテーブルをたたいた

  「何だよ…あれ…本当に訓練か?」

山本も大きくため息をついた

  「でもやりこなさないと…前に進めないんだ。やるしかない。」

進は力強く言った。



三人が今日行ったシュミレーションは編隊を組み敵艦隊に突っ込んで相手の艦載機を叩くというものだった。しかしドッグファイトとなるとどうしても機動力が悪く隙を突かれ瞬く間に宇宙の藻屑となってしまうのだ。簡単にやられまいと何とか急旋回を繰り返し反転を試みるがシュミレーションの相手はそれを手玉に取り逆にやられてしまう

  「見てろ…明日は同じようにいかないぞ!」

加藤は唸るようにそう呟くと自室に入って行った

  「あいつすぐ頭に血が上るからな。」

山本がそう言うと

  「まぁ冷静になったからってアレを攻略できると思わないけど。なかなか攻略出来ないぜ
   頭使うほどまだ慣れてないし。俺は焦らないぜ。」

きっと自分に言い聞かせてるんだ、と進は思ったが山本の言葉にうなずいた

  「しっかしキッついな…食欲失せるぜ…」

山本は大きなため息をついた





島と相原は順調に訓練を重ねてるようで多少の疲れは見えるものの意気揚々としてるのがわかった。食事とシャワーを終えると艦載機チームは明日の体力の事を考えてさっさと床に入るのが当たり前になり島と相原は訓練中に連絡を取り合う事があるらしく結構遅くまでリビングで話し込む事が多かった

  「…ダメだな…」

進は頭痛がひどいので先に休んでいたが寝に入っても頭痛が元で起きてしまい熟睡できずにいた。冷蔵庫からミネラルウォーターを取りこめかみを冷やしながらリビングに置いてある常備薬を取りに部屋を出た。時間はまだ10時前だった

  「どうした?古代。」

部屋から進が出てきたのに気づいた島が声をかけた。正面には相原が座っている。相原は何も言わず薬箱を棚から下ろすと頭痛薬を2錠手渡した。

  「ありがとう。」(進)
  「…さすがだな、相原。」(島)

島はそう言って進の持っているミネラルウォーターを受け取って栓を開けてやった。進はその間に薬を個装されてる部分から一つ一つを取り出して口に入れると島からミネラルウォーターをもらい飲んだ

  「そろそろ限界かな、って思って。こじらせてから薬飲むと効果がでない場合があります
   からね。早めに飲んだ方がいいですよ。」(相原)
  「そうだな、これからはそうするよ。二人は?」(進)
  「昨日薬取りに来ましたよ。先に加藤くんがきて…」(相原)
  「お前は我慢しちゃうからな。あまり良くないぞ、気をつけろ。倒れてからじゃ大変だからな
   それでなくてもお前は前科がある。」

島はそう言って笑ったが心底心配してるのが進にもわかった

  「そうだな、二度と艦載機に乗れなくなっちまうかもしれないからな。気をつけるよ。」

進は照れ臭そうに下を向きながらそう言い“おやすみ”と言いながら部屋に戻って行った

  



  「かなりキツそうですね」(相原)
  「あぁ…俺も艦載機のライセンス欲しいがこの短期間では無理かな。古代は次の休みに
   でも中央病院に連れて行った方がいいかもな。カルテ、こっちにも来てるんだろ?」

島がそう言うと

  「行きますか?」

相原が大丈夫かな?と言う顔で言うと

  「俺が連れて行く。前科があるから絶対行くだろ。無理して白血球の数値が上がっていた
   らそれこそ訓練どころじゃないだろうし…」(島)
  「疲れがたまるようになったらヤバいんですよね?」

宇宙の有毒な紫外線が直に地球に当たるようになって地球人は白血病患者が異常なまでに増えていた。

  「まぁ…あの時みたいに無理してる様子がないから大丈夫だと思うが…注意して様子を
   見た方がいいだろう。」

島は進の部屋を眺めながらそう言った




  「…ふぅ…」

薬を飲んで安心したのか冷たい水で少し冷やしたのが功を奏したのか楽になった気がしたので進はミネラルウォーターをベッドサイドに置いてベッドに身を投げた

  「疲れが抜けないな…」

進はそのまま眠りに入ってしまった



作品名:yamatoへ…Ⅳ 作家名:kei